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刑法の性犯罪規定、6年ぶりの大幅改正

小川たまか・ライター|2023年6月26日7:00AM

今後の世論の変化に注目

 これまで各都道府県での条例違反でしか取り締まることができなかった盗撮を取り締まる撮影罪や、大人が子どもに性的な目的を持って会うことを禁じる懐柔罪の新設も盛り込まれた。

 このほか、公訴時効の5年延長(子どもの頃の被害については18歳までカウントをストップ)や、配偶者間で不同意性交等が成立することの明確化、女性器への男性器以外の異物挿入を現状の強制わいせつ罪から、不同意性交等罪へ引き上げなど、17年の改正に並ぶ大幅な改正となったと言える。

 改正を求めてきた支援者らは、改正案が無事成立したことを喜ぶ一方、今後どのように運用されていくかに注目する。

「運用によっては不同意性交等罪の構成要件の幅が狭く取られてしまう可能性もある。もちろん広く取られる可能性もあるが、改正がゴールではなく、運用や世論の意識がどう変わっていくかを見ていく必要がある」(関係者)

 今回の改正にも5年後見直しの可能性の附帯決議がつき、公訴時効のさらなる延長や年齢差要件の見直し、撮影罪・懐柔罪の運用なども今後の論点となりそうだ。

 今国会では入管法の改悪や、当事者から「差別推進法案」と批判されたLGBT理解増進法が可決されている。性被害の当事者や支援者の悲願だった性犯罪規定の改正が全会一致で成立したことはうれしいニュースだが、ほかの法案について声を上げてきた当事者が悲しむ姿を見て、手放しで喜べないと口にする関係者もいた。

(『週刊金曜日』2023年6月23日号)

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