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グーグル日本法人の〝大規模〟リストラに従業員ら反発
初の労組結成、団体交渉

寒川栄・ジャーナリスト|2023年4月15日7:00AM

3月2日、記者会見で労組結成を発表するグーグル日本法人社員ら。中央は東京管理職ユニオンの神部紅書記長。(撮影/寒川栄)

 IT会社、グーグルの日本法人(グーグル合同会社)で進んでいるとされる〝リストラ〟に対抗すべく、東京管理職ユニオンに「グーグル ジャパン ユニオン」(以下、ユニオン)が結成され、2月28日にメンバーが記者会見を開いた。同労組の他にもJMITU(日本金属製造情報通信労働組合)でも、この問題で労働者たちが労組を結成した。巨大IT企業のGAFAの一角を占めるグーグルで、どんな事態が進んでいるのか。

 ユニオンの会見や、グーグルとユニオンとの団体交渉などによると事の発端は今年1月、グーグルが全世界で約1万2000人の従業員を解雇すると発表したことだ。2022年に約600億ドルの利益を上げ、約1140億ドルの流動資産を持つといわれる同社がいつの間に経営危機になったのか。そうではないだろう。グーグルにかかわりのない者でも、その発表には首をかしげた。

 従業員ならなおさらだろう。日本のグーグルではどうなるのか、会社から詳しい説明がないまま時は過ぎた。そして2月末になり、日本の会社から全従業員にメールが届いた。その中身は「3月中に何らかの通知をする」としたもの。何をどのような規模で行なうかも説明のないままだ。1月の発表以降、米国などでのリストラの様子は日本にも伝わった。「顔見知りの社員が突然消えた」「ロックアウトされた」……。情報もない中、雇用不安を覚えた従業員たちは、ユニオン結成へと動いた。

 当事者に具体的な内容が初めて知らされたのは3月2日早朝のメールだ。「退職パッケージ」が、その対象になった従業員に通知された。ユニオンによると内容には退職を求める直接的な記述はないが、このパッケージの対象者であることを伝え、①通知された日から90日間に退職に合意すれば給与の積み増しを受けることができる、②(通知から)2週間以内に合意すれば更に割り増しを受けることができる(現時点ですでにこの期間は終了)、③(退職後の)再就職支援を利用できる、などとした。だが、この通告を断ったら解雇されるのか、どういった理由で自分が対象者となったのかなどの説明はない。規模の説明もないが、ユニオンの中にも対象者とされた者、そうでなかった者がいた。

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