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災害リスク削減にも
ジェンダー平等が必要
国連女性の地位委員会報告会

神原里佳|2022年7月7日8:30AM

意思決定の場に女性を

北九州市危機管理室で男女共同参画の視点から防災業務に携わる大村昭子さんは、「東日本大震災時、避難所運営に女性の視点が入らなかったことで、『生理用品を男性が配布しているので取りに行けない』『女性だからと一日中炊き出しに駆り出された』など、さまざまな問題が浮き彫りになった」と事例を紹介。「北九州市ではそれを踏まえ、防災施策の方針決定過程において女性の参画を拡大。現在は危機管理室や消防局など災害マネジメントの第一線で活躍する女性職員も増えている」と成果を語った。

北九州市立大学国際環境工学部・加藤尊秋教授は、東日本大震災の被災地で一般市民の経験を調査し、統計データを作成。「着替える場所やトイレに困った」など、女性自身が経験を伝え、共有していくことも現状把握や改善をする上で大切だと訴えた。

また、この日は台湾・台中市で「アジアにおける官民連携・ジェンダー平等の実現に向けて」をテーマにパラレルイベントを主催した台中市政府社会局・鄧心怡さんも招かれ、堀内理事長とオンライン対談。2人は「CSWへの参加や今回の報告会のようなイベントを通して、地方都市同士が互いに学びあってジェンダー平等を実現していきたい」と語り、連帯の思いを新たにした。

堀内理事長は「日本は災害大国であるにもかかわらず、災害時におけるジェンダー平等の視点が足りていない。意思決定の場にもっと女性を増やしていかなければいけない」と指摘。「CSWの合意結論にも盛り込まれた、政策全般に関わるすべての分野にジェンダー視点を取り入れる“ジェンダー主流化”と、そのための女性のエンパワーメント推進をさらに強化していく必要がある」と強調し、報告会を締めくくった。

(神原里佳・ライター、22年6月24日号)

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