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辺野古新基地建設止め、新型コロナ対策を

阿部岳|2020年6月17日10:06AM

官邸中枢の混乱

しかし、今回ばかりは失策だった。疫病が猛威を振るう中、玉城知事でなくとも「なぜ今」という疑問を抱く。周りの状況が見えない政府の視野狭窄、執着ぶりを際立たせる結果になった。

沖縄選出の野党国会議員たちは防衛省を訪れて抗議した。議員によると、事務方が「普天間飛行場の一日も早い危険性除去のため」などと釈明を始めたが、大臣政務官がそれを制した。沖縄県独自の緊急事態宣言を把握していなかったようで、「事情も知らず、おわび申し上げる。本意ではなかった」と謝罪せざるを得なかった。

防衛省がこの日も持ち出した「普天間飛行場の一日も早い危険性除去」は政府の常套句と化している。確かに普天間返還は県民共通の要求だが、新基地建設では実現しないことを、歴史が示している。

1996年、最初に日米両政府が普天間返還に合意した時点では「5〜7年以内」、つまり遅くとも2003年までには実現することになっていた。今から17年前には問題が終わっていたはずだった。

そうならなかった理由はただ一つ、名護市辺野古へのたらい回しを条件にしたからだ。県民の反対は強まる一方で、新基地の建設案は二度変わり、完成時期も「2014年」、「22年度またはその後」とずれ込んでいった。

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