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辺野古新基地建設止め、新型コロナ対策を

阿部岳|2020年6月17日10:06AM

防衛省公式サイトに掲載されている辺野古の写真。(撮影/『週刊金曜日』編集部)

まさか、この時期に。コロナ禍が拡大するさなかの4月21日、辺野古新基地建設を進める防衛省沖縄防衛局が、沖縄県に大量の書類を持ち込んだ。

ほかならぬ政府自身が5日前に新型コロナウイルスの緊急事態宣言を全国に拡大し、各都道府県に協力を求めていた。前日には、沖縄県も独自に緊急事態を宣言したばかりだった。

当日午前8時半すぎ、開庁したばかりの県出先機関に、前触れもなく防衛局職員4人が現れた。カウンターの上に置いていったのは、埋め立て工事の設計変更に県の承認を求める申請書類。約2200ページにも上った。

県は感染防止のため出勤する職員を半分に減らしていたが、対応に必要な職員を呼び出した。緊急事態宣言下で、否応なく審査を始めることになった。

コロナ対策に注力する中の不意打ち。急遽(きゅうきょ)会見した玉城デニー沖縄県知事は「今は国も県も対策に一丸となって取り組む時期。スケジュールありきで提出されたことは断じて容認できない」と憤った。一方、河野太郎防衛相は「用意が整ったということ。書類の提出ですから、あまりコロナとは関係ないんではないか」とうそぶいた。

4月提出は既定路線ではあった。政府はアリバイ作りに協力する専門家を集めて会議を重ね、準備を急いできた。玉城知事与党の過半数割れを狙う県議選が6月に迫っている。手続き強行が自公候補の不利にならないよう、なるべく選挙から離れた早い時期に申請を済ませるスケジュールを描いていた。

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