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「非常事態のシミュレーションしていない」 
防衛省が自衛隊配備問題めぐり仰天発言

2020年4月9日5:10PM

弾薬庫の配備が予定されている宮古島の保良地区にある採石場。(提供/宮古島市民)

【宮古島 弾薬庫建設開始か】
こうした状況下にもかかわらず、宮古島の保良地区では弾薬庫建設が始まろうとしている。

弾薬庫予定地から、保良地区の保良集落までの距離は非常に近い。近隣住民によると、最も近い民家は直線距離で約200メートルにあり、保良集落の半分が1キロ圏内にある。昨年には、陸上自衛隊の教範(教科書)に、地対艦ミサイルが火災に巻き込まれた際の爆発までの時間は約2分で、その際は1キロ以上離れるなどの対応をすることと示されていたことが判明し、住民らの懸念は一層大きなものになった。さらに非常事態のシミュレーションもされていないとなると、不安は一入だ。

弾薬庫の建設工事はすぐにも始まる可能性があり、3月21日に抗議集会とデモがあった(主催「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会(住民連絡会)」)。集会は、千代田地区に造られた宮古島駐屯地前で行なわれ、約50人が参加。保良に住む「ミサイル・弾薬庫配備反対! 住民の会」の共同代表の下地博盛さんは、「昨年12月頃まで(建設予定地への)ダンプの出入りがあり、その(出入りを阻止する)闘いをやった。その後、弾薬庫を置く場所の整地作業がなされ、ほぼ出来上がっているので、これからフェンスなどが張られ、本格的な建設が始まるのではないか」と状況を説明。「どう阻止していくのかが課題。高齢者の多い地域だが、千代田の運動とも一緒になって闘いたい」と訴えた。

懸念は保良だけではない。弾薬庫は建設しないと説明していながら、実際には建設されてミサイルが搬入されていたことが昨年3月に発覚した千代田の宮古島駐屯地では、今年2月29日と3月3日には、ミサイル搭載車両と軍事車両が駐屯地内に搬入されていたことも発覚し、問題となっている。

同駐屯地にあった「弾薬庫」は問題発覚後、「火薬庫」と呼称が統一され、今年に入って「地上式一級火薬庫」との看板が付けられた。3月21日の集会で上里樹宮古島市議は、「地上式一級火薬庫は、核兵器以外の第一級の弾薬を収められる機能をもった弾薬庫。撤去しかない」と訴えた。現在も事実上の弾薬庫が置かれているということだ。「住民連絡会」は同日、これへの抗議文を安倍晋三首相や河野太郎防衛大臣など宛てに出した。

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