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「ニュース女子」訴訟が問う日本社会の構造
阿部岳|2021年5月5日1:35PM
判決の行方は分からない。しかし、差別者の卑劣さは鮮明に浮かんだ。
DHCテレビジョンの番組「ニュース女子」のデマとヘイトスピーチを問う訴訟は3月17日、東京地裁でヤマ場の尋問があった。
司会だった元『東京新聞』論説副主幹の長谷川幸洋氏、番組の責任者である制作会社ボーイズのプロデューサー、一色啓人氏は口をそろえて「被害」を訴えた。「言論、報道の自由を脅かす乱訴だ」という。「どうして訴えられたんでしょうね」と不思議そうにしてみせたところまで同じだった。
加害者に限って被害者のポジションに逃げ込もうとする。私は証言を終えた一色氏に「被害者と認識しているのか」と尋ねたが、一色氏は背を向けて歩き去った。
長谷川氏も、記者だったにもかかわらず、訴訟自体が名誉毀損だとして自ら反訴したにもかかわらず、報道陣を振り切って帰ろうとした。「言論の自由のために闘うと言いながら取材を否定するのはおかしい」と私がただすと、声を上げて笑った。何も語らなかった。