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「ニュース女子」訴訟が問う日本社会の構造

阿部岳|2021年5月5日1:35PM

DHCテレビ側の弁護士は笑いながら原告の在日コリアン辛淑玉(シン・スゴ)さんを尋問した。辛さんが「生きるために声を上げている」と証言すると、また嘲笑した。

「差別者はいつも笑っている」。大阪から傍聴に訪れた在日コリアンのライター、李信恵(リ・シネ)さんはツイッターに書いた。

この弁護士は辛さんに対して「母国である韓国で基地反対運動をしないのか」とまで言った。植民地支配の帰結として朝鮮半島出身者が日本で暮らしてきた歴史の事実を無視し、「国に帰れ」と同様のヘイトスピーチを、ヘイトが問われている法廷で吐いた。

結局、差別者が守りたい「表現の自由」というのは「差別する自由」でしかない。そんなものは、存在しない。差別を娯楽とする多数者のために少数者の表現の自由が奪われ、沈黙を強いられることなど許容されない。

対して、辛さんが守りたいのは、命だ。法律上は名誉毀損を問うことしかできないが、自身と少数者の命を脅かしたデマとヘイトの責任を問うている。

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