外国人差別デマ対策で学者や弁護士が政府に提言 「犯罪流言も差別的言動」
石橋学・『神奈川新聞』記者|2026年11月1日2:13PM
関東大震災で「朝鮮人が暴動を起こしている」という流言が引き金になった虐殺を繰り返すまいと、社会学者や弁護士らでつくる「災害時の差別流言研究会」は提言をまとめ、9月18日、政府に届けた。

デマと差別を背景にしたジェノサイド(集団虐殺)の記憶と反省が社会で共有されないまま、外国人が空き巣や放火をしたなどの差別流言が災害のたび、被災地やSNSで飛び交う。共同代表の郭基煥・東北学院大学教授は「外国人犯罪流言は暴力を誘発し、他の流言とは異質な有害性を持っている」と訴えた。東日本大震災では鉄パイプなどで武装した自警団が徘徊していたこともわかっている。
提言は▼災害時の外国人犯罪流言を防災上・人権上の重要課題に位置づける▼流言を打ち消す迅速な情報発信と暴力防止体制を整備する▼平時から教育・啓発による予防を推進する▼メディア・SNS空間における流言対策を強化する▼外国人犯罪流言への法的・制度的対応を検討する――という五つの柱からなる。共同代表でノンフィクション作家の加藤直樹さんは「差別流言が発生するメカニズムを分析した。外国人住民が隣人として見えていないと拡散しやすくなる。見えていない人を悪く言うのは簡単だからだ」と指摘した。
提言は包括的差別禁止法制定やヘイトスピーチ解消法改正も必要と説く。明戸隆浩・大阪公立大学准教授は「『死ね、殺せ、出て行け』というきわめて悪質で直接的なものに限らず、外国人犯罪流言も許されない差別的言動だとはっきりさせる必要がある」と話した。
(『週刊金曜日』2026年10月9日号)
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