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米トランプ政権がCNNを「出禁」に 各メディアは連帯し対抗

和田浩明・ジャーナリスト|2026年10月17日7:55PM

 自分に批判的な報道機関を「フェイクニュース」と日々こき下ろし、取材を阻み、損害賠償請求訴訟を仕掛けてきたトランプ米大統領だが、米国時間9月18日に新たなメディア攻撃を繰り出した。ケーブルテレビ局のCNN、MS NOWと政治専門サイト「ポリティコ」の3媒体をホワイトハウスから出入り禁止にすると、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿したのだ。

9月24日、ホワイトハウス前で取材、中継を行なうCNNの記者。(提供/AP・アフロ)

 その強圧的な対メディア姿勢は以前から「米国の民主主義と世界の報道の自由を危うくする」(米ジャーナリスト保護委員会=CPJ)と批判されてきた。今回、トランプ氏は出入り禁止を「彼らの恒常的なフェイクニュース報道の結果だ」と主張。他の媒体も標的にすると示唆した。『ニューヨーク・タイムズ』によると、政権幹部も事前に知らなかったようだ。

 3媒体は19日、担当記者のホワイトハウス入りが同日拒否され、記者証が剥奪されたと伝えた。CNNは「(米国憲法が保障する報道の自由に対する)違法な攻撃だ」と非難。MS NOWは「われわれの憲法上の権利と、民主主義における独立したジャーナリズムを守るため、すべての必要な措置を取る」と対抗姿勢を明示した。ポリティコも同様の声明を発表している。

 他の報道機関なども連携して出入り禁止に反対姿勢を打ち出した。CPJや米欧の主要報道機関など28の団体が署名した21日付の共同声明は、今回の措置について「米国民が何を、誰から知るのかを大統領が決めるという危険な前例となる」と指摘。「報道の自由を断固守り、政府について報じる能力を規制しようとする、いかなる試みも批判する」と明言した。

保守系媒体、判事も異議

 3媒体は法廷闘争も始めた。21日、出入り禁止は言論や出版の自由を保障する米国憲法修正第1条などに違反するとし、禁止解除や記者証返却をトランプ政権に命じるよう求める訴訟を、首都ワシントンの連邦地裁に提起した。一方の政権側は、今回の措置は機微情報や機密が報じられることへの国家安全保障上の懸念が根拠で、ホワイトハウスでの取材は「特権であり権利ではない」と主張した。

 しかし2日後の23日にはティモシー・ケリー判事(トランプ氏が2017年に任命)が記者証返還などを命じる14日間有効な一時的差止命令を出した。さらに「国家安全保障上の懸念」が記者証取り上げでの根拠であるとの政権側主張は疑わしく、今回の禁止で国家安保が守られるかの根拠も示されていないと判断した。ただ、これは最終決定ではなく審理継続だ。

 報道機関の連帯は続いた。トランプ氏に好意的なFOXニュースを含む主要テレビ局も、習近平・中国国家主席の米国到着をトランプ氏が23日に出迎える様子を撮影する代表取材に参加せず、24日の晩餐会の代表取材も拒んだとAP通信は伝えた。CNN排除への抗議だったという。タイムズ紙は「報道の自由を弾圧する独裁的指導者をトランプ氏がもてなす一方、米国の記者がホワイトハウスから排除された」と皮肉った。CNNなどの記者が復帰できたのは24日のことだった。

 だが、26日には南部テネシー州に向かうトランプ氏に大統領専用機で同行する取材からCNNが再び外された。11月の連邦議会中間選挙を前に、支持率低下に直面する政権側による報道機関規制の試みは続きそうだ。

(『週刊金曜日』2026年10月9日号)

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