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国際会議Women Deliver報告 平等・人権への攻撃増す世界をどう変える? 

岩崎眞美子・ライター|2026年9月7日10:08PM

 近年、ジェンダー平等や人権、民主主義そのものに対する攻撃が世界的に高まっている。ジェンダー平等とSRHR(性と生殖に関する健康と権利)をテーマとする世界最大級の国際会議Women Deliver(以下、WD)においても、いかに人々が連帯し、言論や人権の場を守っていくかということが切実な課題になっている。

今年のWomen Deliverに参加したSRHR for ALLアクション!のメンバー。(提供/国際協力NGOジョイセフ)

 今年4月、オーストラリアで開催された7回目のWDでは「変化が私たちを呼んでいる」をテーマに掲げ、気候危機や紛争、ヘイト・反ジェンダー運動など、SRHRを取り巻く多くの課題を、幅広い社会構造の問題として捉える議論が展開された。

 WDは、政府関係者や国際機関だけでなく、市民団体、障害者、先住民族、移民、LGBTQ+コミュニティなど、多様な立場の人々が集い、社会変革のための政策や実践を議論する場だ。今大会には189の国と地域から6000人以上が参加。日本からは「SRHR for ALL アクション!」より8団体のメンバーが参加し、日本社会が抱えるSRHR課題をアピールした。

 参加したメンバーらはオンライン報告会を6月27日に開催。主催した#なんでないのプロジェクトの福田和子さんは「日本では(参考として)〝マイノリティ当事者の声を聞きましょう〟という感じになりがちだが、WDでは、主導権を握るのはユース世代や障害女性、先住民女性、LGBTQ+当事者であり、みんながつながって社会の構造を変えていくんだ、ということが当然のこととされていた。『私たち抜きに私たちのことを決めないで』というスローガンが実践されている感じがした」と報告。「人権を守る仕組みが壊されつつある今だからこそ、より良い世界をつくっていこうという熱気を感じた」と語った。

 移民、障害、LGBTQ+など、さまざまな立場の当事者としてWDに参加したメンバーは、自分が主体として社会を変えるのだという自信を得たことで、目標や課題も明確になったという。

性教育は社会の基盤

 堕胎罪撤廃など中絶の非犯罪化を求めるSOSHIRENのちゃんまりさんは「制度や社会システムを変えるために、地域の人々が連帯し地方自治体から変えていく重要性をセッションを通して学んだ」と話した。

正しい性の知識と判断力を育む包括的性教育の普及を目指すNPO法人ピルコンの染矢明日香さんは、各国の性教育の実践に触れ、「包括的性教育は単なる教育の一分野ではなく、ジェンダー平等や若者のウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に満たされた状態にあること)を支える社会基盤そのものとして位置づけ直す必要がある」と語った。

 倫理学者でトランスアクティビストの高井ゆと里さんは、世界的に強まる反ジェンダー運動に対抗していくための活動について報告。「性教育や性的マイノリティ教育は子どもの精神的な成長を阻害する」などの虚偽の広まりを訂正するには正しい事実を提示するだけでは足りない。「子どもを守る、という誰もが共有できるナラティブ(物語)を築くことが重要」と高井さん。「自分の体について理解することは子どもを守ること。そのナラティブを多くの人に訴えていく必要がある」と話した。

 「Women Deliver」とは直訳すれば「女性が届ける」という意味だ。この「Women」とは排除の言葉ではなく、多様な人々を包摂するネットワークの中核であり、その連帯こそが、より公正な社会を実現する力になる。そう信じられる充実した報告会だった。

(『週刊金曜日』2026年7月17日号)

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