中部電力の耐震データ不正問題、通報後も不正操作継続 組織的に継承か
鈴木誠之・ジャーナリスト|2026年8月20日3:47PM
中部電力の耐震データ不正問題で原子力規制庁は7月1日、外部通報を受けた調査開始後も中電が浜岡原発(静岡県御前崎市)の地震波データの操作を続けていたと原子力規制委員会で報告した。昨年5月の調査開始以降も耐震設計の基本となる「基準地震動」を左右する地震波を選び直す「事後的組み換え」が69件行なわれていた。

規制委の神田玲子委員は「看過できない。感覚が麻痺していたのでは。上層部も調査する必要がある」と指摘。山岡耕春委員は「何と言ったらいいか。頭を抱えてしまうぐらいのこと」と言葉を失った。
山中伸介委員長は会見で、事後的組み換えを「不正隠しだと推測している」と語った。「組織としての安全文化の劣化以前の問題。技術者の倫理観の喪失が集団で起きていたのでは。非常に残念だ」とし、①不正の程度②関与した職員の範囲③2012年以降の時系列――の3点を十分調査するよう指示した。規制庁は「(担当の)土建部内だけでなく横の広がりも確認されている」と明言し、経営層の関与も調べる方針を示した。
『静岡新聞』7月5日付報道によれば、昨年操作した社員と数年前に不正をした社員は別人。人事異動を経ても不正が組織的に継承されていた可能性がある。中電は同日、事後的組み換えを詫びるコメントを出したが、社長名はおろか部署名すら記載されていなかった。
赤沢亮正経済産業相は、調査開始後も不正が続いたことを「国民の信頼を大きく損なう、あってはならないもの」と遺憾を表明し、報告徴収命令の結果を踏まえ「厳正に対処する」と述べた。
(『週刊金曜日』2026年7月10日号)
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