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〈最高裁判決後、25人の原告が亡くなった〉雨宮処凛
雨宮処凛・『週刊金曜日』編集委員|2026年7月29日5:11PM

「最高裁判決を聞いてうれし涙を流したが、判決からもうすぐ1年なのに遅すぎる」
「最低限度の生活をガンガン減らすことがおかしいが、ネット上ではバッシングがあふれていて声をあげるのが怖い。私のような生きづらさを感じている受給者が多いと思う。それを国が煽ってきたと思うが、生きやすい社会にしてほしい」
この言葉は、5月14日に開催された「相談ホットライン」に寄せられたものである。相談を受け付けたのは、「いのちのとりで裁判全国アクション」に関わる人々。
第二次安倍政権でなされた生活保護費引き下げはおかしいと、全国の生活保護利用者が国を訴えた裁判が昨年6月、最高裁で勝訴したことは記憶に新しい。引き下げは違法と判断され、減額処分の取り消しが命じられたことにより、厚生労働省は原告だけでなくそれ以外の生活保護利用者に引き下げ分の差額を「追加給付」することになった。しかし、それが今、自治体によってばらつきがあるなど難航している。
すでに判決から1年が経つというのに、いまだ追加給付が始まっていない地域もある。それだけでなく、給付の対象なのに周知が不十分なことでそのことを知らない人もいる。現在、生活保護を利用していれば問題ないが、すでに廃止している人は「申し出」が必要だからだ。ということで5月、相談ホットラインが開催されたのだ。
6月24日には、寄せられた声とともに原告、弁護団、支援者らによって厚労省に要請が行なわれた。私も参加したのだが、この日、衝撃的なことを知った。1年前の6月27日の最高裁判決からこれまでに、25人の原告が亡くなったのだという。
一時は全国で1020人以上いた原告だが、約10年にわたる裁判で200人以上が命を落としていることは知っていた。が、わずか1年でそれだけの人が亡くなっているということに衝撃を受けた。
生活保護利用者の約半数が高齢世帯。よって原告にも高齢の方が多い。集会などのたびに「原告の〇〇さんが亡くなった」などの報告を耳にし、遺影が増えていくのを感じていた。原告には時間がない。保護費を下げる時はあっという間に決まってあっという間に実行されたのに、なぜ、追加給付はこれほど時間がかかるのか。
一刻も早い追加給付と、周知の徹底を改めて求めたい。
(『週刊金曜日』2026年7月10日号)
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