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国旗の損壊等処罰法が成立 政治的主張の表現も処罰対象に
佐藤和雄・ジャーナリスト|2026年7月29日4:41PM
なぜ今こんな法律が必要なのか――。そうした疑問が自民党議員からも出ているにもかかわらず、驚く展開になっている。「国旗の損壊等処罰法案」を自民党、日本維新の会、国民民主党、参政党の4党が共同提出し、6月24日から衆議院内閣委員会で審議が始まり、26日には委員会で早くも賛成多数で可決された。参議院でも4党の立場が変わらなければ、今国会で成立する可能性は高い。

まずは筆者が6月12日号で報告した国民民主党の玉木雄一郎代表の動向をお伝えしたい。玉木氏は6月2日の記者会見では法案に対して厳しい批判の言葉を述べていた。だが、それが2週間後には大きく変わった。当初の法案ではSNSなどで配信した人も処罰対象となっていたが、それを削除させることで共同提出に踏み込んだという。玉木氏は16日の記者会見で方針の転換についてこう語った。
「『反対』というのも一案でしたが、ただこの法案がそのまま通っていくのは、わが国の表現の自由やいろんな言論空間のさまざまな権利の保全、保護という観点から一定程度の歯止めを加えておくことが必要だろうということで今回の判断になったということです」
審議に入る前の法案修正には、自民党と国民民主党がそれぞれに「今後の関係」を考えながらの判断があったのではないか。そう疑わざるをえない。
不快、嫌悪催す方法とは
法案はご覧の通り3条しかなく、附則に施行3年後の再検討が明記されているだけである。実にシンプルであり、何が「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」にあたるかが不明だ。
6月24日の衆院内閣委員会審議でも具体的事例は示されなかった。唯一明らかになったと言えるのは中道改革連合の階猛議員の「自己所有の国旗損壊が政治的主張に付随して行なわれた場合は処罰対象となるか」との質問への答えだ。自民党の塩崎彰久議員は「自己所有の国旗の損壊行為が政治的主張に付随して行なわれた場合であっても、これが公然と行なわれて、著しく不快又は嫌悪の情を催す方法で行なわれた場合であれば、これは構成要件(犯罪が成立するための原則的な要件)に該当しうると考えている」と説明した。
つまりは政治的主張の表現であっても罪に問われるのだ。
(『週刊金曜日』2026年7月3日号)
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