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再審法案は参議院で修正を! 宇都宮健児

宇都宮健児・『週刊金曜日』編集委員|2026年7月8日6:36PM

宇都宮健児・『週刊金曜日』編集委員。

 政府提出の再審制度を見直す刑事訴訟法改正案は6月16日、衆院本会議で一部修正されたうえで、自民党、日本維新の会、参政党の賛成多数で可決され、衆院を通過した。同月19日、参院本会議で趣旨説明が行なわれ、参院での審議が始まった。

 政府案には多くの問題点が残されたままであり、静岡県一家4人殺害事件で再審無罪となった袴田巖さんの姉・ひで子さんも、衆院で可決された政府案について「まだまだ不備がある。抜け道ばかりつくって、また同じことになる。そんなの法改正ではない」と批判し、「冤罪被害者は何十年も苦しんでいる。被害者を救うための法律をつくってほしい」と参院での修正を求めている。

 問題点の一つは証拠開示の問題である。証拠開示の対象が再審請求の理由と関連があると裁判所が認めた証拠に限定されているうえに、開示証拠は裁判所に提出するのみで、再審請求人・弁護人に対し、証拠開示を命じる規定がない。

 また、現行制度では、開示された以外に検察官がどのような証拠を持っているかわからない。税金を使って収集された証拠は、検察や警察の独占物ではなく、公共の財産である。検察官に対し、証拠の全体像を示す証拠一覧表を作成し、提出させる規定が必要である。

 政府案では、証拠の目的外使用を罰則付きで禁止する規定を新設しているが、冤罪被害者の支援活動やメディアによる検証を著しく妨げる規定であり、削除されるべきである。この規定では、袴田事件で開示された「5点の衣類の写真」の支援者による活用は違法となってしまう。

 政府案を一部修正した「証拠の目的外使用の禁止に関する制度は、5年ごとに見直しの対象とする(附則2条)」との修正は、問題の先送りにすぎない。

 政府案では、再審開始決定に対する検察官の不服申立て(検察官抗告)は原則として禁止されたが、再審開始決定が「取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合」には、例外的に不服申立てができることとされている。これでは検察官抗告の「原則禁止」が骨抜きになってしまうおそれがある。したがって検察官抗告の禁止には例外を認めるべきではない。

 これらの修正が行なわれなければ、今回の再審法改正は「冤罪被害者のための改正」ではなく、「検察のための改正」になってしまう。参院での政府案の修正が絶対に必要である。

(『週刊金曜日』7月3日号)

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