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国会前デモでの警察「過剰警備」に主催者ら抗議 「参加者を萎縮させる不当弾圧」
北野隆一・『朝日新聞』記者|2026年7月1日7:40PM
5月に東京都内で開かれた憲法集会や、最近の国会前デモをめぐり、警察による「過剰警備」が行なわれているとして、主催団体が6月8日、抗議声明を発表した。

同日に国会内で記者会見した「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」(総がかり実行委)などによると、有明防災公園(東京都江東区)で5月3日に開かれた憲法集会では、主催者への連絡なしに警察官が会場入り口付近で金属探知機を使って参加者の所持品を検査。果物ナイフをかばんに入れていた高齢女性に、東京湾岸署への任意同行を求めた。
警察は任意で女性を事情聴取し、身長や体重、血液型などを記録。顔写真を撮影し、始末書を書かせた。弁護士が聴取への同席を求めたが、警察は応じなかった。
銃刀法22条は「業務その他正当な理由による場合」を除いて、刃渡り6センチを超える刃物の携帯を禁じている。同行した藤原朋弘弁護士は記者会見で「集会で果物をむくためにナイフを持っているのも(銃刀法上の)『正当な理由』。任意同行する根拠はないと思う」との見方を示した。
有明防災公園での憲法集会は今年で12回目。当初から集会運営や安全対策にかかわってきた全日本民主医療機関連合会の木下興事務局次長は「参加者の安全を守って集会を成功させるため、警察にも尽力いただいてきた。今回のできごとは、警察との信頼関係をなくしてしまう」と述べた。
抗議声明は「参加者を萎縮させ、場合によっては任意同行・逮捕するという警察による不当弾圧ではないか」と述べている。
記者会見では、国会周辺でも過剰な警備があったと指摘された。
国会議員にも回り道要請
中道改革連合の有田芳生衆議院議員は5月26日の衆院法務委員会で質問。総がかり実行委などが主催し、国会正門前で反戦や護憲などを訴えたデモが行なわれた5月19日、議員会館から国会敷地柵沿いの歩道を歩いて正門前に向かおうとした有田氏は「ここは通れません」と警察官に立ち塞がられ、回り道するよう求められたという。
有田氏は「国会議員や集会参加者を止める法的根拠はあるか」と尋ねた。鈴木敏夫・警察庁長官官房審議官は「警察法上、個人の生命、身体、財産の保護と公共の安全、秩序維持といった警察の責務を果たすため、国会周辺で多数の方々の取り組みが行なわれる際、車両や人の通行、参加者の安全確保、事故防止の観点から、通行人や参加者のご協力をいただいて必要な警備上の措置を講じている。国会側歩道の一時的迂回のお願いも必要な措置」と答弁した。
有田氏ら国会議員4人は6月1日、警視庁を訪れ「警備に大いに問題がある」と抗議。参加者を遠回りさせ、青信号でも横断歩道を渡らせず、暴言を吐いて威圧していると指摘した。デモ主催者らも4日、警視庁で同様の申し入れをしたという。
3月以降、国会前デモを複数回取材した筆者は、4月8日のデモでは警察官による人垣に阻まれて遠回りを余儀なくされた一方、5月29日のデモでは少し通りやすくなったと感じた。記者会見で質問したところ、総がかり実行委の菱山南帆子共同代表は「異常な警備について有田議員が国会で質問し、私たちが警察に申し入れに行くと宣言したことが効いたのではないか」と答えた。
(『週刊金曜日』2026年6月26日号)
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