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大間原発建設差止等請求訴訟控訴審 裁判体の構成に疑義
脱原発弁護団全国連絡会|2026年6月10日6:36PM
2010年に函館地裁に提訴した電源開発大間原発の建設差止等請求訴訟は18年3月に請求棄却判決、住民らは控訴。控訴審での審理が続くなか、本年2月10日の口頭弁論期日で控訴人らの求めた専門家の証人尋問や検証を裁判所が前向きに検討する形で期日が予定され、結審に向けて大きく舵を切った。

ところが、年度末に齋藤清文裁判長が異動、新たに法務省訟務局民事訟務課長などの経歴を有する角井俊文裁判官が着任。その後、本件は札幌高裁第3民事部に係属しているが、裁判長のみ第2民事部の小河原寧裁判官が担当するとの連絡があった。控訴人側は伊藤雅人札幌高裁長官に対し「裁判体の構成を通常とは異なるものとすることについての説明を求める意見書」を提出したところ、担当書記官から電話で、①角井裁判官には、差し支えが生じているが、その理由について説明できることはない、②裁判官に差し支えがある場合については、下級裁判長事務処理規則に基づき、「裁判官会議の議」により、その部の裁判官が、定められた順序で代理することになっているが、今回は「特別の理由」があるので、長官の指名する2部の裁判長が代理している、その理由は答えられないという。
控訴人側はこのような説明には承服しかねるとして、5月19日13時半の口頭弁論期日を迎えた。法廷では開廷前に、控訴人側の只野靖弁護士は、「裁判体の構成について、法令に基づいていないのではないかと疑義を持っている」として、本来担当すべき角井裁判官は本件に国の代理人として関与したのではないかと質問を重ねているが、未だ回答ないと説明を求めた。また、回避事由がある裁判官がいる場合は別の第2民事部に担当替えをすべき理由として、①3部に係属したまま2部の裁判長が来るというのは恣意的な運用を許すことになる、②3部の陪席裁判官は、別事件は角井裁判官と合議体を構成し、人事考課も角井裁判官である等影響を受ける、③各部の開廷日が重なるので、弁論や今後の検証などの日程が制約される等実質的な支障も生じる、④実際に他の裁判において、回避事由のある裁判官の関係で別の部に移ったことがあると指摘した。
これに対して小河原裁判長は、前回弁論期日以降の経緯を説明したが、本件訴訟の合議体は規定に基づいて適切に構成されている、現時点で担当替えは予定していない、角井裁判官の外れた理由は、本件の裁判体に入っていないのでわからないとの回答に留まった。
只野弁護士は、角井裁判官に回避事由があると考えているが、そもそも、裁判官に差し支えのあるときは、3部の角井裁判官を除いた裁判官で合議体を構成するのが原則なのに、本件は「特別な理由」があるとして小河原裁判官が3部の裁判長となっているが、特別な理由を要件として裁判体の構成が変わるというのは、中立、公正に反するし、恣意的な運用になりかねないと批判。裁判官会議の議は情報開示請求中であるが、本件にどのような特別な事情があるのか、誰がどのような基準で決めたのか、説明を求めると述べた。
このように、控訴人らは本件の裁判体が法令に基づいて構成されていない疑義があると開廷前に説明を求め、弁論更新はしかねるとしたが、裁判長は開廷しているとして進行。被控訴人らの準備書面等の陳述はしないとして実質的な審理はなく16分程で閉廷した。
(『週刊金曜日』2026年5月29日号)
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