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候補者男女均等法施行8周年 候補者の男女数偏る党の政党交付金減額を提案

宮本有紀・編集部|2026年6月10日7:29PM

 男女の候補者数を均等にすることを目指し2018年に成立した政治分野における男女共同参画推進法(候補者男女均等法)の施行8周年を記念し、「クオータ制を推進する会」は5月22日、衆議院第二議員会館で集会を開催。各党議員らも参加し、女性議員を増やす取り組みなどを報告した。

「現職の壁をどう突き崩していくか、もっと議論をしていただきたい」と話す安藤優子氏(右端)。(撮影/宮本有紀)

 候補者男女均等法成立に尽力した上智大学の三浦まり教授は「この法律により、私たちの社会が目指すべきところはパリテ(男女同数議会)だという共通理解ができた。以前は選挙の公示日に女性議員比率が1面で報じられず、数日経って夕刊などで報じられる程度だったが、今は公示日に党ごとの女性候補者が報じられる」と社会の前進を評価。だが、女性議員の割合は参議院で30%、衆議院で14・6%(26年2月現在)、都道府県議会で14・6%、知事では4・3%、市町村長では3・7%(以上24年末現在)と、パリテにはまだ遠く課題は多い。

 国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)からは、議会の男女平等を実現するため、候補者や議席の割り当て(クオータ制)の導入や女性が立候補した時の供託金の減額を勧告されている。CEDAW委員を務める秋月弘子亜細亜大学教授は「政治分野で女性の参加が少ないことが日本のジェンダー平等促進を阻害している一番の要因。社会の構成員の声を聞くことが民主主義であり、女性が50%参加していなければ真の民主主義ではない」と明言した。 

 三浦氏は「候補者選定過程を改善しないと女性が増えない」として、数値目標の設定や候補者選定方法の改善などが党の努力義務となっている候補者男女均等法4条を改正し党の責務にすること、候補者が男女どちらかに偏った政党には政党交付金を減額するという政党助成法改正案を提示。「約315億円という世界で最大規模の政党交付金を民主政治実現のために使うことは極めて合理的なものと考える」と語った。

「女性優遇」ではない

 議員が出席したのは中道改革連合、国民民主、立憲民主、公明、共産、れいわ新選組、社会民主、チームみらいで、どの党もクオータ制の導入に賛成。一方、候補者比率と政党交付金を結びつける案については「達成できなかった場合の減額措置より男女差が小さくなったら交付金を増やすほうがいいのではと党内で議論した」(立憲・徳永エリ政調会長)、「減額という言葉は強制的なものになるので、政党自身がやったほうがいいと思わせるような言葉にしたほうがいいのでは」(チームみらい・武藤かず子衆院議員)、「憲法適法性をめぐる議論が想定されることなどの反対もあろうかと思う」(国民・野村美穂男女共同参画推進本部事務局長)などの意見も。

 また、「与党が比例代表定数削減を打ち出しているが、比例こそ女性候補者を擁立する上で大事な仕組み。むしろ比例を軸とした選挙制度を目指したい」(共産・山添拓政策委員長)、「比例のほうが女性が議員になりやすいので比例削減に反対。多様な意見を国会に反映できるようにしたい」(社民・福島みずほ党首)など、選挙制度に関する指摘もなされた。

 クオータ制導入が進まない理由には女性優遇で逆差別だと誤解されている点もあるが、ジャーナリストの安藤優子氏は「男性がずっと下駄をはかせてもらってきたということを忘れては困る」と反論。「女性と男性がいたら男性候補を優先する暗黙のルールの中で男性優位の国会が作られてきたことを理解し、共通のスタートラインに立つことが重要ではないか」と述べた。

(『週刊金曜日』2026年6月5日号)

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