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「ごっこ遊び」と言わせぬために 想田和弘

想田和弘・『週刊金曜日』編集委員|2026年6月2日7:32PM

想田和弘・『週刊金曜日』編集委員。

 4月に国会前であった「平和憲法を守るための緊急アクション」などのデモについて、自民党の門寛子衆院議員が「ごっこ遊びにしか見えない」と発言したことに反発を覚えた読者は多いだろう。

 門氏の発言が、主権者の表現行為を軽視した暴言であることは、論をまたない。しかし、デモによって政府の政策を大きく変更させえたことが、これまでほぼ皆無であったことも事実である。したがって、より効果的な市民運動のあり方を考えることも、私たちには必要ではないだろうか。

 では、権力者に「ごっこ遊び」と高を括らせないために、私たちには何ができるだろうか?

 そのヒントは、『週刊金曜日』2025年8月22日号で特集した政治学者・故ジーン・シャープ氏の非暴力抵抗理論にあるのではないかと、僕は思う。

 氏は権力者の〈権力の源泉〉は、人々の協力と服従にあると説いた。つまり私たちが協力と服従をやめれば、必然的に権力は崩壊するのだという。そして協力や服従を停止し、権力の源泉を枯渇させるための具体的方法を198項目挙げた。

 その第一のカテゴリーは「抗議と説得」である。国会前デモやビラ撒き、演説などはこの範疇に入る。シャープいわく、これは非暴力の「武器」のうち、最もおとなしいものである。

 第二のカテゴリーは「非協力」だ。消費者や生産者によるボイコット、自宅待機、銀行預金の撤退、税金の支払い拒否、賃貸料の留保、ゼネスト、公的援助の拒否、仮病を使って休む、司法関係者による非協力、などが含まれる。

 第三のカテゴリーは「非暴力介入」である。ハンガー・ストライキや妨害的な買い占め、並行政府の樹立などが含まれる。

 こうしてみると、私たちが「武器」として使ってきたのは、そのほとんどが、最もおとなしい第一のカテゴリーに含まれることがわかる。だからこそ権力者はたいして困ることも、妥協を強いられることもなく、反対意見を無視し、やりたい政策を押し通すことができたのではなかったか。

 高市政権はこれから、日本の軍事化と権威主義化を急速に進めていくだろう。

 私たちがそれを止めるには、シャープが言うように、何が政権の弱点で、どう攻めればよいのか、総合的な戦略を練るべきではないか。そしてデモだけでなく、第二、第三のカテゴリーも含めたあらゆる非暴力の「武器」の使用を検討する必要があると思うのだが、皆さんはどう思いますか。

(『週刊金曜日』2026年5月29日号)

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