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「炎上」して知った、標的にされる恐怖 雨宮処凛

雨宮処凛・『週刊金曜日』編集委員|2026年5月19日4:17PM

雨宮処凛・『週刊金曜日』編集委員。

『週刊金曜日』4月17日号で、表紙に登場させていただいた。特集は「厳格化する外国人政策」。表紙には私と『東京新聞』で外国人問題を精力的に取材する池尾伸一さん、その背後に後ろ姿で映るのはナイジェリア出身の高校生・エマさん(仮名)だ。

 表紙に大きく躍る言葉は「非正規滞在の難民・移民は『犯罪者』ですか?」。

 発売の翌日、何気なくSNSを開き言葉を失った。そこには表紙の写真とともに、罵詈雑言が溢れていたからだ。いわく、不法滞在者は犯罪者に決まってる、日本から出ていけ等々。ここには書けないような言葉も並び、それに数千件の「いいね」がつきインプレッションは数万を超えている。

 それを目にした瞬間、吐き気が込み上げ、激しい動悸に息もできないような感覚に囚われた。ネットでの攻撃を見た時に身体に毎回起こる反応だ。

 天気のいい日で、急な予定変更でこの日は久々のオフだった。ウキウキしながら何をしようか考えていたけれど、すべては吹き飛んだ。自宅にいたものの、家にいるのも怖い。これだけの規模の人たちから敵意を向けられていると思うと、今この瞬間、住所などが晒されているのではという最悪の予想が頭に浮かぶ(具体的には書かないが、これまでいろいろ怖い体験はしている)。

 かといって外に出るのも怖い。何しろ私の顔写真が入った表紙が拡散されているのだ。無防備に外を出歩くなんて自殺行為ではないか。

 それ以外にも悪い想像ばかりが膨らんでいく。プライベートでの人間関係に与える影響。今いる場所にこのまま住めなくなるのではという恐怖。そして結局、こういうことになっても誰一人、助けてくれないんだよな……という絶望。

 いろんな気持ちがごっちゃになって、気づいた。

 ああ、この恐怖って、今この国にいる多くの外国人が感じているものではないか、と。もちろん私が経験しているのはその何十分の一だろうけれど、この号の座談会で、エマさんとはまさにそんな話をしたのだ。日本人ファースト以降、変わったこの国の空気。アフリカ・ホームタウン騒動の際、SNSに溢れたアフリカへのヘイト。「最悪でした」「思い出したくもない」という言葉を何度も聞いた。そして、どうかエマさんがこの騒動を知りませんようにと祈った。同時に、彼女が顔を隠さなくてはいけない理由が本当に、わかった。

 今はただ、この騒ぎが収まることを願っている。こんなことをあと何度繰り返せばいいのだろう。

(『週刊金曜日』2026年5月1日・8日合併号)

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