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〈国内外で孤立化深めるトランプ政権〉宇都宮 健児

宇都宮健児・『週刊金曜日』編集委員|2026年4月14日4:57PM

宇都宮健児・『週刊金曜日』編集委員。

 米国とイスラエルによるイラン攻撃から1カ月が経過した。米国は今回、イランに核開発の放棄を迫る高官協議を続けている最中に、宣戦布告もなく、イスラエルとともにイランへの攻撃を行ない、最高指導者ハメネイ師を殺害した。米国とイスラエルの狙いは、イランの体制転換だったと思われるが、イラン国内では民衆蜂起は起きず、かえって政府に不満を抱く国民も反米感情を高める結果となっている。

 米国とイスラエルによるイラン攻撃は、明らかに国連憲章や国際法に違反する攻撃であるので、ヨーロッパの同盟国からも批判されている。

 スペイン政府は3月2日、米国とイスラエルによるイラン攻撃を違法と非難し、米軍機がイラン攻撃でスペイン国内の基地を使用することを拒否した。これに対しトランプ大統領は3日、スペインとの貿易を打ち切ると脅したが、スペインのサンチェス首相は4日のテレビ演説で「スペイン政府の立場は『戦争反対』という言葉に集約される」「報復を恐れて価値観や利益に反する行為に加担するつもりはない」と述べた。

 また、イタリアのメローニ首相は11日、上院で演説し、米国とイスラエルのイラン攻撃は「国際法の範囲外」の介入だったと批判し、女子児童ら175人が死亡したイラン南部の小学校への攻撃を「虐殺」と表現し、非難している。米国とイスラエルによるイラン攻撃に、いまだに法的評価を控えている日本の高市早苗首相とは大きな違いだ。

 トランプ大統領は14日、SNSでホルムズ海峡の航行の安全確保に向け、日本、英国、韓国、中国、フランスなどに艦船の派遣を要請したが、要請に応じる国は出てこなかった。

 イラン攻撃に対する批判は、米国内からも出てきている。米政府でテロ情勢分析を統括する国家テロ対策センターのジョー・ケント所長は17日、SNSで「良心に照らしイランとの戦争を支持できない」として同日付で辞任を表明した。

 また、3月28日に行なわれた三度目の「NO KINGS(王様はいらない)デモ」には、イラン攻撃や移民政策に抗議して全米50州の3300カ所以上で800万人以上が参加している。

 このようにトランプ政権は国内外で孤立化を深めている。元はと言えば、国際法を無視したトランプ大統領自身の暴走の結果ではあるが。トランプ大統領は無法な戦争をただちに中止すべきである。

(『週刊金曜日』2026年4月10日号)

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