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大間原発建設差止等請求訴訟控訴審 「勝負時」と弁護団

脱原発弁護団全国連絡会|2026年4月13日7:22PM

 2月10日、大間原発建設差止等請求訴訟の口頭弁論が札幌高裁(齋藤清文裁判長)で開かれた。控訴人の池田晴男さんが、自身が理事長を務める就労継続支援B型事業所での、昨年12月8日の津波警報時の具体的な経験を踏まえて、本件原発の事故時に避難は不可能だと意見陳述した。大河陽子弁護士が、小出裕章氏の大間原発事故時のシミュレーションや、東電福島第一原発事故の放射性物質の拡散状況から、そもそも大間原発は立地不適であり、形だけの避難計画を策定して原発を稼働させたい原子力規制委と、その仕組みが虚構であると断じた。中野宏典弁護士は、中部電力浜岡原発データ捏造事件にも触れ、危険なフルMOX炉には慎重な司法判断が求められると説明した。

2月10日、大間原発建設差止等請求訴訟控訴審の報告集会で話す河合弘之弁護士(右)。札幌弁護士会にて。(写真/脱原発弁護団全国連絡会)

 期日後の報告集会では、前回12月の期日以降、控訴人側は、証人申請と検証申請を行ない、今後、これらに対する被控訴人側の意見が出されること、10月と12月に証人尋問を見据えた期日が仮で予定されているとの報告があった。

 弁護団長の河合弘之弁護士は、次のように述べた。「今日の裁判長の訴訟指揮から、自分が腹を決めて判決を書くしかない、一審のような、運転開始はまだ先だから人格権侵害がないという中身のない肩透かしではなく、実質的な判断をしないと仕方ないと思っていると感じた。もし一審判決と同じ判決を書くつもりなら人証、検証は必要ないわけですから。全く証人を採用する気がなければ、あんなこと言う必要ない。人証、検証の上で判決を書くためには自分がいる間に、日程をとにかく急がせようという気がする」

「政治の世界は高市旋風でどんどん右に傾いて、安倍政権の再現、原発については再稼働や新設が強まる、それが『社会通念』だと差止棄却にしようという傾向がますます強まるのではないかと心配している。社会通念で裁判をするなら司法は要らない。立法は選挙で選ばれて、行政が指導監督を受ける関係だが、司法までこれで貫徹されるとひどいことになる。なぜなら、米国のトランプ、ロシアのプーチン、古くはドイツのナチスのように、国民は熱狂し、揺れ動き、間違える。立法と行政が間違えた時、それを止めるのが司法。司法は民主主義で選ばれてはいけない。なぜなら、司法も選挙で選ばれると国民の誤りや熱狂が一気通貫してしまうからだ。立法が誤ったときに、人格権を侵害するから駄目だと待ったをかけるために三権分立で司法がある」

「しかし、日本の裁判官は選挙で選ばれていないというコンプレックスがあるため、『社会通念』という形で、世論に従って安心感を得るという傾向がある。社会通念とは、原子力ムラに作られている『世論』。高市旋風によって、原発推進『世論』が強まるほど、私たちは司法の場で、それにストップをかけるべく、裁判官にも『世論』なんか気にするな、あれは作られた『世論』だ、人格権だけを考えて止めるかどうか判断しろと迫る必要があるというのが今の社会情勢の大きな流れの中でのこの裁判の意義だろうと思う」

「判決に向けて、裁判所に証人、検証を採用していただく、ここが勝負時かなというのが弁護団のコンセンサス。みなさまにも引き続き、傍聴に来て、意見を言って、集会をして、『世論』にあらがう努力をしていただきたい」

(『週刊金曜日』2026年2月27日号)

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