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厚労省が長生炭鉱を初の現場視察 「安全確認に5千万~10億円」!?

本田雅和・ジャーナリスト|2026年2月10日6:31PM

 戦時中に朝鮮半島から連行され山口県の海底炭鉱で働かされていた労働者らが地下坑道の水没事故によって183人が生き埋めになったまま放置されてきた問題で、植民地支配の責任を否定する日本政府・厚生労働省の幹部は、これまで犠牲者追悼のための現地訪問さえ拒んできた。しかし1月30日、急遽旧来の方針を転換。宇部市の現場を訪ねた。市民団体が進めてきた「潜水による遺骨発掘の安全性を調査し、ダイバーらと意見交換する」とし、5人の「政府系専門家」を率いた厚労省幹部による初の現場視察が皮肉な形で実現した。

 政府代表による長生炭鉱跡地の初の現地視察は厚労省側の突然の申し入れだった。意見交換会は、現場近くの公共施設で実施され、司会役の村田裕香・人道調査室長は「進行に徹する」と述べつつ会議全体を自ら取り仕切り、写真撮影なども一切許可しなかった。

「専門家」は地質、鉱山や「潜水を含む海洋工事」などが分野の研究者。経済産業省、国土交通省からオブザーバーも参加。市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」側からは専門ダイバーの伊左治佳孝さんと、海面に突き出たピーヤ(排気筒)内部の瓦礫撤去や環境整備を担当してきた地元ダイバー戸田政巳さんも出席した。

 方針転換の背景には、日韓会談で高市早苗首相がDNA型鑑定を「日韓協力で進める」ことに前向き姿勢を示しつつ、刻む会が政府に提出した頭蓋骨などは山口県警の冷蔵庫に入れたままにしていたことなどが暴露され、このままでは「遺族特定、遺骨返還に前向きな韓国政府に主導権を握られる」との懸念があった。さらには衆院解散・総選挙で高市政権が敗退し政権交代が起きた場合「韓国政府との合意」への無策・放置が批判されかねない。アリバイ作りとの見方も。調査中の坑道崩落の安全対策確認に専門家が「5千万円~10億円も」との水増し概算も示した。

(『週刊金曜日』2026年2月6日号)

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