「スパイ防止法」「国家情報局」制定に反対集会 国民監視、戦争に導く危険性指摘
竪場勝司・ライター|2026年1月6日5:49PM
第219回国会(臨時会・2025年10月21日~12月17日)で法案提出も予想されるスパイ防止法をめぐり、これに反対する国会前行動と院内集会が11月6日に開かれた。

主催したのは「『秘密保護法』廃止へ! 実行委員会」「『共謀罪NO!』実行委員会」の2団体。国会で秘密保護法(特定秘密の保護に関する法律)が成立した12月6日(2013年)、共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案)が審議入りした4月6日(17年)に因む「6日行動」(国会会期中の毎月6日前後に開催)の一環だ。
当日、まず正午から衆議院第二議員会館前で開かれた抗議行動には約30人が参加。主催者あいさつに立った角田富夫さんは、自民・維新両党が連立合意に盛り込んだスパイ防止法の制定と「国家情報局」の新設について「もしこれらがつくられたら、国家が市民への監視を徹底的に強化したうえで情報を収集し、活動を制限する方向へと転換していくことは疑いない」と強調。市民が情報を得ようとするだけでスパイとして弾劾され、やがては戦争に追い込まれていく危険性を指摘した。
参加者たちもシュプレヒコールで「スパイ防止法に反対するぞ」「国家情報局なんて、いらない」などと繰り返し、拳を振り上げた。
法制定の背後にあるもの
続いて衆議院第一議員会館内で行なわれた院内集会には会場で約40人、オンラインで約100人が参加。関東学院大学名誉教授の足立昌勝さん(刑法)が「スパイ防止法と国家情報局―その関係は?―」とのテーマで講演した。
足立さんは最初に、この二つの背景にある高市早苗首相の歴史観、安全保障観が安倍晋三政権の主張を引き継いだものであると指摘。さらに、軍機保護法(1899年制定、1945年10月に廃止)など戦前の国家秘密関連法制の歴史を振り返った後、85年に自民党が国会提出したスパイ防止法案(国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案)に言及。「背景に統一教会の一組織である国際勝共連合の活動があり、その支援を受けた形の『日本はスパイ天国だ』との主張が根拠だった」と述べた。
その後、2013年に秘密保護法が制定されたが、この際に防衛秘密と外交秘密だけでなく、特定有害活動防止関連秘密とテロ防止関連秘密の二つが加わったことで「特定秘密」の範囲が非常に広くなった。今年の5月には自民党の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」が、スパイ防止法の導入に向けた検討の開始を含む提言をまとめたが、足立さんは高市首相が同調査会の会長であることや、今年秋の総裁選での公約ですでに「インテリジェンス関係省庁の司令塔としての『国家情報局』の設置、『スパイ防止法』の制定に着手します」を掲げていたことへの注意を促した。
国家情報局には、省庁の縦割りを排し、外交・安全保障などの情報を一元的に収集、分析することで外国勢力の活動への対処力向上につなげる狙いがあるとされる。
同局とスパイ防止法との関係性を足立さんは「内なる情報の遮断と外なる情報の取得」と説明した。国家が持つ情報は国民から遮断、国外の情報は国家が積極的に得られるようにしようということだ。
集会は最後に「ナショナルセンターのようなものをつくり、スパイ防止法・国家情報局反対という一点に絞って共闘していこう」との呼びかけで閉会した。
(『週刊金曜日』2025年11月21日号)
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