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核廃絶に取り組む被爆者らが高市政権発足に際し緊急会見 核共有、スパイ防止法などに懸念

岩本太郎・編集部|2025年12月17日5:28PM

 臨時国会が召集され、高市早苗・自民党総裁が首相に指名された10月21日の夜、「新首相・新政権に対し、核兵器廃絶への真剣な取り組みを求めます」とのタイトルで、これまで核兵器廃絶に向けて取り組んできた被爆者や市民らの緊急記者会見が開かれた。一般社団法人核兵器をなくす日本キャンペーンがオンライン開催した。

10月21日夜に開かれたオンライン記者会見。(「核兵器をなくす日本キャンペーン」公式サイトのYou Tube画面より)

 自民党と日本維新の会との連立(閣外協力)に基づいて誕生した高市政権は、両党合意書において改憲やスパイ防止法の制定などについてさっそく具体的な方向性を示している。では「核兵器廃絶」についてはどうなのか。会見冒頭、司会者としてあいさつした川崎哲さん(同キャンペーン専務理事)は、まず背景説明として高市氏のこの問題をめぐる近年の発言等を列挙。同党総裁選では非核三原則について「どちらかといえば反対」(今年)、「見直し」に言及(昨年)した一方、核兵器禁止条約へのオブザーバー参加について昨年10月に衆院選候補者を対象に行なわれたアンケートでは「賛同」と回答。だが相手の維新はマニフェストで核共有や原子力潜水艦の共有への議論に前向きな姿勢を示し、両党連立合意も非常に憂慮すべき内容をはらんでいると指摘した。

 同キャンペーン代表理事で日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員の田中熙巳さんは、高市氏が従来「タカ派的な発言を繰り返してきた」と懸念。副代表理事で日本被団協の事務局次長の和田征子さんも「昨年私たちは日本で2番目にノーベル平和賞を頂いたが、1番目の受賞者(佐藤栄作元首相=在任中に非核三原則を表明、一方で米国と「核密約」も)が何をやったか」と政権トップの言動への注意を促した。

非核三原則骨抜きの恐れ

 広島のNPO「ANT―Hiroshima」理事長の渡部朋子さんは、8月6日の平和記念式典で当時の石破茂首相が「『核兵器のない世界』に向けた国際社会の取り組みを主導することは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命」と述べたことを新政権・新首相にも肝に銘じてほしいと訴えるとともに、高市氏および維新の吉村洋文代表、藤田文武共同代表に「あらためて広島・長崎を訪問し、核被害の実情を学んでほしい」と呼びかけた。

 長崎原爆病院の名誉院長で核兵器廃絶日本NGO連絡会共同代表などを務める朝長万左男さんは、日本の憲政史上初の女性首相誕生に祝意を述べつつも、非核三原則の変更や憲法9条改定には絶対に反対すると表明。

 同連絡会幹事で「核兵器のない世界を目指す若い世代の団体」である一般社団法人かたわらの代表理事、高橋悠太さんは、今年3月、神戸市が非核証明書の提出のない米掃海艇の入港許可を出したという、1975年以来の「非核神戸方式」(同年に市議会が採択した「核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議」に基づく)が破られる事例が生じたことを挙げ、「非核三原則が骨抜きになるのでは」と指摘。一方では4年ぶりに外務大臣に復帰した茂木敏充氏が前任時代の2021年の国会答弁で「安定的な形で核に頼ら」ない安全保障ができることが望ましいと発言していることも挙げ、「そうした検討はぜひ新政権でもやってほしい」と求めた。

 会見では最後に今後の行動予定として、年内にも政府に対して、核兵器廃絶への取り組みを強く求める場を作っていきたいとの意向方針などが明らかにされた。

(『週刊金曜日』2025年10月31日号)

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