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〈日本で育った子どもたちが「強制送還」されている〉雨宮処凛

雨宮処凛・『週刊金曜日』編集委員|2025年11月24日4:11PM

雨宮処凛・『週刊金曜日』編集委員。

「昭和に逆戻り」

 高市早苗・自民党新総裁の党役員人事が発表された瞬間、そんな言葉が頭に浮かんだ。

 亡霊のように甦りし麻生太郎氏。麻生氏の義弟・鈴木俊一氏。裏金問題や旧統一教会との関わりなど真っ黒な萩生田光一氏。若めの女性がいるかと思ったら鈴木貴子氏で、起用の理由が「茂木(敏充)氏の背広の埃取るコロコロを持っていた」「背広を着せたり、いろいろなことをしていた」と、介護職かというほどにケア要員としての需要。

 思えばトランプ氏が再び大統領となったこの9カ月で、アメリカもものすごい勢いで時代を巻き戻している。民主主義や人権といった積み上げてきたものを蹴散らし、多様性は否定され、移民の強制送還が続き、連邦政府職員が職を失うという異常事態だ。

 日本も同じ轍を踏むのだろうかと不安しかないが、現在、この国では「怒濤の強制送還」が続いていることをご存じだろうか?

 入管庁(出入国在留管理庁)が今年5月、「ルールを守らない外国人に係る報道がなされるなど国民の間で不安が高まっている」として「不法滞在者ゼロプラン」をぶち上げ、それに基づいて「強制送還キャンペーン」的なことをしているのである。

「不法滞在者なんて強制送還されて当たり前じゃん」と思う人もいるかもしれない。が、その中には、難民認定率が低い日本で認定されなかった人や、送還されると命に危険が及ぶ人もいる。

 そんなゼロプランでどれくらいの送還が進んでいるのか、10月10日、データが発表された。

 それによると、6〜8月に国費送還されたのは119人。前年同期は58人なので倍以上の人数だ。国籍別で見ると、もっとも多いのはトルコで34人。おそらく大半はクルド人と思われる。ついでスリランカ、フィリピン、中国と続くのだが、驚いたのは今年1〜8月に強制送還された中には18歳未満の子どもが7人も含まれること。

 その子たちは、日本生まれ、もしくは幼少期に来日し、日本育ちで日本の教育を受けて母語は日本語である。突然「送還」されても、「母国」には知り合いも一人もおらず、言葉もルールもわからないという状態だろう。

「不法滞在者」と言われる中には、このような子どもも含まれる。今一度、法や制度の見直しが喫緊に必要だが、現政権は聞く耳を持ってくれるのか、不安しかない。

(『週刊金曜日』2025年10月24日号)

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