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立教大に尹東柱記念碑が除幕 延世大、同志社大に続き、ゆかりの大学すべてに建立

文聖姫・本誌発行人|2025年11月24日4:32PM

「窓の外に 夜の雨がささやいて 六畳の部屋は ひとの国」

 韓国の国民的詩人、尹東柱が戦前、東京・池袋の立教大学留学中に作成した「たやすく書かれた詩」の冒頭だ。この詩の原文と日本聖公会司祭の井田泉氏が訳した日本語訳文などを刻んだ記念碑が建立され、10月11日に同大学で除幕式が行なわれた。

新たに建立された「尹東柱記念碑」の前で挨拶する遺族の尹仁石さん。(撮影/文聖姫)

 1917年12月30日、当時の中華民国吉林省和龍県明東村で生まれた尹は、41年12月に延禧専門学校(現・延世大学校)文科を卒業した。42年4月、立教大学文学部英文学科に入学したが、同年10月に同志社大学文学部文化学科英語英文学専攻に転入学した。43年7月、治安維持法違反の容疑で京都・下鴨警察署に逮捕され、45年2月16日に27歳の若さで福岡刑務所で獄死した。死因についてはさまざまな説があるが明らかになっていない。戦後、尹の親族ら関係者の尽力で詩集『空と風と星と詩』が刊行された。

 これまで同志社大学と延世大学校には詩碑があったため、立教大学に記念碑が建てられたことで、尹ゆかりの大学すべてに詩碑が建立されたことになる。また、同志社大学は今年2月、詩碑建立30周年を記念して尹に名誉学位を贈呈している。

 尹は立教大学在学中、冒頭の「たやすく書かれた詩」をはじめ5篇の詩を残したが、それらはユリの紋章が入った立教大学の便箋に書かれていた。現在は延世大学校の尹東柱記念館に保存されている。

 除幕式では、西原廉太・立教大学総長、尹の甥である尹仁石・成均館大学校名誉教授、尹東燮・延世大学校総長、李赫・駐日韓国大使、小原克博・同志社大学学長が挨拶した。

 西原総長は「ただの記念碑としてではなく、学生たちの教材として大切に用いていきたい。立教大学から韓国に留学する学生たちには、必ず尹東柱について学んでもらいたい。韓国の学生たちには、同志社大学とともに尹東柱を記念する大学として立教大学を(留学先として)選んでもらえれば」と述べ、「韓国と日本の学生たちが名前を呼び合い、顔を合わせるつながりができることを願い、記念碑を大切にしたい」と語った。

若い世代に伝わること願う

 尹の遺族を代表して挨拶した尹仁石氏は「記念碑に書かれた詩と説明文を読むすべての人々に尹東柱の詩と碑の建立にかかわった人々の念願を感じてもらえれば。美しく平和な世の中をつくる出発点となって、若い世代にその意思が伝わることを願う」などと話した。

 この日、立教大学では朗誦・詩画発表会、公開シンポジウムなどの関連イベントも行なわれた。

 同大異文化コミュニケーション学部が主催した公開シンポジウムは、学生が制作した映像作品上映、講演、対談、詩の朗読、ミニコンサートなど盛りだくさんの内容だった。特に目をひいたのが、著名な作家である孔枝泳さんと同学部の李香鎮教授による対談だ。孔さんは2006年、尹の詩を題材とする小説『愛のあとにくるもの』を作家の辻仁成さんとのコラボレーション作品として発表した。

 孔さんは「尹東柱の人生は一言で表現すれば平和だと思う」として、「立教大学に詩碑ができたことで、これから(日本に来たら)きっと花を持って立ち寄るだろう。日本が一歩近づいた。これこそ文化の力だ」と語った。

(『週刊金曜日』2025年10月24日号を一部修正)

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