安保法制成立から10年、国会前で抗議行動 「スパイ防止法や排外主義にNO」
竪場勝司・ライター|2025年11月24日2:10PM
集団的自衛権行使を容認する安全保障関連法(安保法制)の強行採決から10年が経った9月19日夜、国会正門前で大規模な抗議行動があった。約2300人が参加し、軍拡の動きや排外主義に反対するスピーチなどが繰り広げられた。

「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」と「9条改憲NO!全国市民アクション」が共催した。
10年前の8月30日には、学生団体「SEALDs」などの呼びかけに応じた12万人(主催者発表)が国会正門前の道を埋め尽くした。主催者を代表して挨拶した菱山南帆子さんは、当時を引き合いに出して話を始めた。「『今は人が集まらない』といった声があるが、市民運動は潮の満ち引きのようなもの。引き潮の時にこそ、私たちはしっかりと根差したアンカー(錨)にならなければならない」
西日本などで進む軍備拡大にも触れ、「10年前と比べて、状況はさらに悪くなった。『19日行動』をはじめ、全国に共同の闘いが広がっている」と強調。さらに「今度の臨時国会でスパイ防止法案が提出されるような状況になったら、一致団結して大きな運動を巻き起こしていこう」と訴えた。
選挙の結果に強い懸念
「移住者と連帯するネットワーク」(移住連)事務局長の山岸素子さんは7月の参院選に言及し、「各政党が外国人への管理・規制強化、排外主義を競うという、異常な事態になっている」と指摘した。選挙時に拡散された「医療や生活保護などで外国人が優遇されている」という主張は、まったく根拠のないデマだった。むしろ、日本には外国人の人権を保障する基本法がなく、多くの外国人の権利は日本人と比較して、大きく制限されている。「選挙の結果、排外主義を掲げた政党が大きく議席を増やしたことに、私たちは強い懸念を抱いている」
出入国在留管理庁が今年5月に「不法滞在者ゼロプラン」を発表してから、難民申請中の外国人の子どもが家族と一緒に次々と強制送還される事態も起きている。山岸さんは「日本社会に一緒に生きている移民、難民、外国ルーツの人々と共に希望を持って平和に生き続けられる社会を目指して、これからも粘り強く、差別・排外主義にNOの声を上げていこう」と呼びかけた。
最後にスピーチに立った上智大学教授の中野晃一さんは「トランプ(米大統領)の決断によって何の道理も正義もなく、日本が戦争をするという状況が見えてきている」と警鐘を鳴らした。「憲法で定められている国民の生命、自由及び幸福追求の権利を守るのが政治」とした上で、「他国の戦争に備えて、それについていく準備をすることが、日本の国益になるわけがない」と断じた。
市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の運営委員として野党共闘の橋渡し役も担ってきた中野さんは、「みなさんがこの10年間ずっと声を上げ、私たちを代表する議員を後押ししてきたことで日本はかろうじて持ちこたえている」と主張。「同じゴールを実現するために下から連携をつくり直し、大きな共同をつくっていかなければいけない」と呼びかけた。
この日の行動は「戦争反対」「改憲反対」「ミサイル配備 今すぐ撤回」「排外主義は許さない」「みんなの力で政治を変えよう」などのコールで締めくくられた。
(『週刊金曜日』2025年10月3日号)
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