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『週刊新潮』コラム問題の深層 深沢潮さん「新潮社が差別や人権侵害に向き合わないことに絶望」 

文聖姫・『週刊金曜日』発行人|2025年10月16日3:38PM


 新潮社が発行する『週刊新潮』に掲載されたコラムが外国にルーツを持つ人々への差別にあたるとして、コラムで名指しされた作家の深沢潮さんが同社に謝罪を求めた問題は、深沢さんが出版に関わる同社との契約を解消する結果となった。

9月1日、東京・矢来町の新潮社本社前では出版関係者らが「私が好きだった新潮社の本」を持参し抗議行動。(撮影/金浦蜜鷹)

 問題となったコラムは同誌7月31日号に掲載された「変見自在」で、筆者は元『産経新聞』記者でコラムニストの高山正之氏。高山氏は、外国人が日本国籍を取得する問題について持論を展開。深沢さんらの名前を挙げ、「日本も嫌い、日本人も嫌いは勝手だが、ならばせめて日本名を使うな」などと書いた。タイトルは「創氏改名2・0」。創氏改名は、日本が植民地支配した朝鮮人の名前を日本名にするよう強要した政策だ。

 深沢さん側は文書での謝罪と、同誌において最低8ページの反論掲載の紙幅提供を求めた。代理人の佃克彦弁護士によると、新潮社からは8月12日付で批判を受けた事態について反省するとの回答があったが、深沢さん側は、同社がコラムの内容を「『差別的かつ人権侵害にあたる』とする認識を持っていない」と判断。同15日付で①コラムの内容が「差別的かつ人権侵害にあたる」との認識を持っているか否かについての回答、②批判・反論スペースの「分量や方法」についての具体的な提案――の2点をあらためて求めた。

 新潮社側からは同22日付で回答があったが、①に関しては「筆者(編集部注・高山氏)によれば、当該コラムの主眼は『朝日新聞の報道姿勢を問うたもの』であり、編集部もそのように読み取り、掲載に至りました。しかしながら、『差別的かつ人権侵害にあたる』というご指摘、ご批判については、真摯に受け止めており、そのような文章を掲載した責任を痛感しております」というものだった。

高山氏は月刊誌で反論

 深沢さん側はこの回答について新潮社が「差別的かつ人権侵害にあたる〝という指摘・批判を受けるような〟文章を掲載した責任を感じている旨述べるのみ」であり、「コラムの内容について『差別的かつ人権侵害にあたる』との認識を持っていたかにつき回答をしないとの姿勢を貫」いたとして、コラムがいかなる点に問題があるかとの問いには、同社が「最後まで向き合おうとしなかった」と批判。そのうえで、深沢さんが、出版に関わる新潮社との契約を解消することを表明した。

 ②については2ページを提供するとの提案があったが、①への回答に失望したことから「批判及び反論を展開する意欲も喪失」したとして、他社の媒体であらためて提起し、追及するとした。

 深沢さんは代理人を通じて「私の気持ちが傷ついたのは、コラムが差別的で人権侵害にあたるからです。新潮社として差別や人権侵害への認識に向き合わないことに、絶望しました」とのコメントを寄せた。

 一方、高山氏のコラムは同氏と『週刊新潮』編集部との協議の結果、同誌8月28日号(20日発売)をもって終了した。高山氏は『月刊WiLL』10月号(ワック発行)で反論を掲載。「女流作家に屈伏した週刊新潮」とのタイトルの下、主に『朝日新聞』への批判を展開したうえで、新潮社側がコラムを「最低でも休載しろと言ってきた」が「休載でなく連載をやめると言った。新潮側はとてもうれしそうだった」と記した。

(『週刊金曜日』2025年9月12日号)

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