〈参院選の結果について考える〉宇都宮健児
宇都宮健児・『週刊金曜日』編集委員|2025年9月9日3:08PM

7月20日に行なわれた参院選では、自公が過半数割れした。自民党を中心とした政権が衆参両院でともに少数与党となるのは1955年の自民党結党以来初めてのことである。自公連立政権が歴史的敗北を喫した背景には、「政治とカネ」の問題に対する国民の批判に加えて、実質賃金が上がらず、円安物価高で生活が苦しくなった国民の怒りがあったものと思われる。
自公が過半数割れしたが、リベラル政党は自公連立政権批判の受け皿にはなれなかった。立憲民主党はかろうじて改選前議席を維持したが、比例区の得票数では国民民主党、参政党に抜かれ、野党第3位になった。共産党は改選7議席を3議席に減らし、比例区の得票数も約286万票で前回の参院選より約75万票減らした。社民党は比例区の得票率が2%を超え、かろうじて政党要件は満たしたが、前回の参院選より得票数は約4万票減らした。
自公が過半数割れし、リベラル政党が伸び悩み後退したのに対し、国民民主党は改選4議席が17議席に、参政党は改選1議席が14議席に躍進した。この結果を見ると、自公連立政権に対する批判の受け皿には、国民民主党や参政党がなったと言える。今回の参院選では投票率が上昇したが、これまで投票に行かなかった若い世代や現役世代が投票に行き、国民民主党や参政党に投票した可能性が大きい。参政党は「日本人ファースト」といった排外主義的スローガンを掲げたが、このような排外主義的スローガンよりも、生活に不安や不満を持つ若い世代、現役世代の心をとらえた政策が支持されたとみるべきである。
有権者の圧倒的多数は無党派層である。特に若い世代は無党派層が多い。選挙で議席を増やすには有権者の多数を占める無党派層に訴える力、訴求力が重要である。このような無党派層の支持を取り付けたのが、今回の参院選では国民民主党と参政党であった。
リベラル政党は、自分達が無党派層にどのように見られているか自己を客観視する必要がある。また、無党派層に対して訴求力のある選挙公約の打ち出し方、SNSやネット動画の効果的な利用方法、無党派層に支持を広げられるような日常活動の在り方などについて真剣に検討する必要がある。リベラル政党が今後前進するためには、今回の参院選の結果に対する徹底的な総括が必要であると思われる。
(『週刊金曜日』2025年8月29日号)







