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『週刊新潮』が差別煽動、人権侵害コラムを掲載 深沢潮さん、新潮社に謝罪求める

文聖姫・『週刊金曜日』発行人|2025年8月8日4:31PM

 新潮社が発行する『週刊新潮』に掲載されたコラムが外国にルーツを持つ人々への差別にあたるなどとして、コラムで名指しされた作家の深沢潮さんが8月4日、東京都内で記者会見し、同社に謝罪を求めた。代理人の佃克彦弁護士によると、深沢さん側は①コラムの問題点について総括したうえで、差別的・人権侵害的な言及をしたことについて、深沢さんに文書で謝罪すること、②深沢さんが自由に人選して本件コラムへの批判・反論をするためのスペースを同誌に最低8ページの紙幅で提供すること――の2点を要求した。

会見した深沢潮さん(右)と佃克彦弁護士。東京・永田町の衆議院第二議員会館で。(撮影/文聖姫)

 同社は同日、公式サイトに「深沢潮様の心を傷つけ、多大な精神的苦痛を負わせてしまったこと」について「お詫び」をアップ。「今後は執筆の依頼をする時点および原稿を頂戴した時点で、必ず世論の変化や社会の要請について筆者に詳しくお伝えしていく」として、深沢さんの要望については「真摯に対応を検討する」とした。6日には公式サイトで「今後の取り組みについて」を発表し、「新潮社は人種、国籍、性別などに基づくあらゆる差別に反対いたします」としつつ、人権デューデリジェンス担当役員を選任し、担当部署も新設するとした。

 問題のコラムは同誌7月31日号に掲載された。元『産経新聞』記者、高山正之氏の連載「変見自在」で、「創氏改名2・0」とのタイトルがついている。高山氏は、外国人が日本国籍を取得する問題について持論を展開したうえで、深沢氏だけでなく東北大学の明日香寿川教授、俳優の水原希子さんらの名前を挙げ、「日本名で日本人をあたかも内部告発するような言い方は素直には聞けない。はっきり外人名で語るべき」だとして、「日本も嫌い、日本人も嫌いは勝手だが、ならばせめて日本名を使うな」と結んだ。

作家ら約40人が抗議

 深沢さんは2012年、小説『金江のおばさん』が新潮社の「女による女のためのR18文学賞」の大賞を受賞、文壇デビューしたことに触れ、「私の心は打ち砕かれた。屋上でいい景色を見せてくれたと思ったら、背後から突き落とされた感覚」だと語った。記者会見に至ったきっかけについては、「レイシズムに基づいた差別扇動となる、事実誤認のあるコラムが、信頼していたデビュー版元の媒体に載ったことは、私一人ですませていい問題ではないと思」ったと述べた。

 そのうえで、通称名を使う人々の大きな理由は、民族名だと差別に遭うからだとして、(高山氏の)コラムによって「通称名を使う在日コリアンをはじめとした外国ルーツの人々や、日本国籍をとった外国ルーツの方々が、どれほど怖い思いを抱いているか」と訴えた。深沢さんにとって、版元に抗議するこの記者会見への参加は非常に勇気を要するものであり、涙声になる場面もあった。

 佃弁護士は会見でタイトルについて、「創氏改名」が日本の植民地時代に朝鮮半島の人たちに対して日本式の氏名への変更を強制した政策だとして、その名前をあえて付していることが「悪質さを上塗りしている」と指摘した。

 同コラムについては4日までに、桐野夏生、村山由佳、中島京子、東村アキコの各氏ら著名な作家、漫画家、弁護士、大学教授ら約40人が抗議の声をあげた。

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