地域バス路線の減便・廃止進む中、労組関係者らが「運転士の賃金改善」求める
竪場勝司・ライター|2025年8月7日5:46PM
運転士不足を背景に全国各地で地域バス路線の減便・廃止が進む中、バス業界の労働組合関係者と弁護士らが6月25日に東京都内で会見し、バス運転士の処遇改善を求める共同アピールを発表した。
政府が5月に閣議決定した2025年版『交通政策白書』によると、全国の一般路線バス事業者が23年度に廃止した距離の総延長は2496キロで、前年度の約1・6倍に増加。減便・廃止の全国的な顕在化が指摘された。

バス労組関係者と弁護士のグループは、減便・廃止につながる運転士不足は「労働条件が他の業種と比較して低く、運転士の確保が困難になっていること」が大きな原因だと指摘。アピールの呼びかけ人となった弁護士の尾林芳匡さんは「30年以上バスの職場の権利問題に取り組んでいるが、バスの職場の労働条件は悪化していると感じてきた」と語った。
アピールでは、①運転士の責任の重さにふさわしい賃金、少なくとも最低賃金の2倍へ②実労働時間を1日8時間、拘束時間は1日10時間へ、など4点の改善を要求している。
国際興業バスの槙野圭さん(休職中)は「勤務時間のインターバルが8時間しかなく、平均して睡眠は1日3時間しか取れなかった。その中で体を壊した」と実態を説明。西武バスユニオン執行委員長の矢口正さんは「基本給が低いために残業がなければ生活が保てず、その結果として事故が増え、事故が怖いから辞めるという悪循環に陥ってしまっている」と現状を訴えた。
(『週刊金曜日』2025年7月11日号)







