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大間原発建設差止等請求訴訟 住民ら、審理終結に向け舵を切る
脱原発弁護団全国連絡会|2025年7月21日1:55PM
5月29日、大間原発建設差止等請求訴訟の控訴審第14回口頭弁論期日が札幌高裁(齋藤清文裁判長)で開かれた。

まず、控訴人で福島市在住の小池光一さんが意見陳述を行なった。福島第一原発事故により原発から西北西60キロメートルの場所にいた小池さんは、20年かけて繋いできた有機無農薬の農業が一瞬で消滅、福島から避難した娘さんたちは戻ることを諦め、里山の恵みは「除染」できず、精魂込めて作り続けてきた土壌、作物、山菜、キノコ全てが汚染されてしまった。福島第一原発事故の教訓として、原発はコントロールできない、膨大な放射性物質を広大な範囲にまき散らし、長い年月にわたり影響を及ぼす、と指摘。大間原発は初のフルMOX、誰が後世に対して責任を持てるのか、裁判官に対して、事故の教訓が生かされる判決が必ず出されると期待すると締めくくった。続いて、中野宏典弁護士が、司法審査のあり方と火山事象についての準備書面に基づくプレゼンをした。別件での証人尋問、専門家の意見を踏まえ、火山学の実力を誤認して、火山の噴火予測ができる前提で策定された火山ガイドが不合理であることを説明。2016年川内原発福岡高裁宮崎支部決定、20年伊方原発広島高裁異議審決定はこれをキチンと認定したが、18年の「実用発電用原子炉に係る新規制基準の考え方について」(考え方)によって誤魔化し、19年に改正した火山ガイドは内容が変わっていないと言い続けているが、これは欺瞞であると指摘した。
そして、最近の原発差し止め訴訟の判決は、規制庁が裁判対策で作った「考え方」を妄信し、規制委員会の判断が社会通念を具現化しているかのように判示しているが、規制委は社会通念ではないし、実際の規制委は上記のように裁判所から基準が不合理だと指摘されると、理解していないのは裁判所だと言わんばかりに、基準自体を変更して糊塗する、裁判所は舐められていると断じた。福島第一原発事故の教訓を踏まえず、原発の再稼働にとって不利な知見は考えない、新たな安全神話の中にいることが、別件の川内行訴で行なわれた原子力規制庁職員の証言から明らかになった。裁判所は、虚構の安全神話ではなく、証拠にもとづいて事実を適切に認定せよ、そうすれば結論は明らかだと迫った。
期日後、弁護士会館で報告集会があり、只野靖弁護士は結審の道筋を付けるべき上申書を提出し、論点を北方沖断層、敷地内活断層、火山事象、水蒸気爆発、避難計画の不備に絞り、主張を1年以内に終わらせ、裁判所の判断を求めることに舵を切ったと説明。
今日の期日の意義につき、弁護団共同代表の河合弘之弁護士より、以下のような話があった。原告団の代表の竹田とし子さんが亡くなられて初めての口頭弁論期日だった。一審の肩透かしの判決(証人尋問までしながら、中味の判断はせず、規制委員会の許可がいつおりるかわからないから、具体的危険はないとして棄却)と同じ判決を書くつもりならストライキするぞというのが今日出した上申書。判決の中身を今、少なくとも一部約束しろと迫ったもので、司法の世界では極めて異例なことなのだが、敢えて提出した。裁判所は柳に風と受け流しておきながら、早く期日を入れて、具体的に立証計画も固めて、任期のうちにという姿勢を軟らかく通してきた。それを断るのは難しいし、本件訴訟の目的にも反するから充実した審理をと我々も舵を切った。今日の中野弁護士のプレゼンは一つ一つ詰将棋みたいに塞いで、証拠を示していった。他の論点でもベストを尽くして、今の最高裁をトップとする大きな流れに抗する判決が取れるかわからないが、しかるべき判決を取ろうということがはっきり決まった。
次回は9月30日(火)13時半。
(『週刊金曜日』2025年6月27日号)
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