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包括的性教育の導入や中絶の権利保障を要求 国連女性の地位委員会ユース報告

古川晶子・ライター、宮本有紀・編集部(2025年4月25日号)|2025年7月8日8:30AM

国連女性の地位委員会(CSW)は、国連経済社会理事会の機能委員会の一つで、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントをめざす年次会議。米ニューヨークで2週間にわたり開催される大規模な会議で、本編の会議の他、市内各所で各国政府やNGOなどが主催するイベントが多数行なわれる。

 今年3月に開催された69回目のCSWのテーマは「北京+30」。ジェンダー平等推進に大きな役割を果たした北京での世界女性会議(1995年)からの30年を振り返り、今後を展望するもの。

 この間、女性性器切除や児童婚、妊産婦死亡率が減少するなど進展した部分はある。しかし、気候変動や軍事行動などもジェンダー平等に悪影響を及ぼすため、現状は展望が明るいとは言いがたい。国連女性機関が「2024年、世界の4分の1近くの政府が、女性の権利についての揺り戻しを報告」しているとし、「行動を加速させなければ、今日生まれた少女は、女性が男性に匹敵する数の議席を得るまでに39歳を迎え、児童婚がなくなるまでに68歳を迎え、女性と少女の極度の貧困の撲滅にはさらに137年かかる」と指摘する通り、課題は多い。

CSW69の参加報告をしたユースなど登壇者。(撮影/古川晶子)

 

 将来に向けた活動の重要性から、今回は特にユース(若者)参加が注目され、日本からもユースが積極的に参加。4月13日に開催された「CSW69参加で見えてきた、ジェンダー平等、SRHR推進のいま」(主催:公益財団法人ジョイセフ、#なんでないのプロジェクト)では、ジョイセフから派遣されたユース5人が、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)に関する課題について報告した。

 安田里菜さんは、複数のイベントで行なわれた「堕胎罪の存在は女性の心身を危険にさらす人権侵害」という議論を紹介。日本では包括的性教育がなされておらずSRHRの意識が十分でない。ゆえに意図しない妊娠に至るケースも多いが、堕胎罪が存在する。「誰にも助けを求められず、中絶を選択せざるを得ない人がいる。そのような人々に犯罪者のレッテルを貼ることは理不尽だ」として、堕胎罪撤廃と中絶の権利保障が最重要課題だと述べた。

「プッシュバック」の進行
 また、意図しない妊娠を防ぐため性交から72時間以内の服用が重要とされる緊急避妊薬だが、日本では処方箋なしの薬局販売が解禁されていない。稲荷桃香さんは、米国の薬局では何種類もの緊急避妊薬が棚にあり、手頃な価格で買いやすいことを紹介。日本における薬局販売の実現を求めた。 

 今後のジェンダー平等推進を担うユースが育つ一方、家父長制を喧伝する団体がイベントに参加して攻撃的な発言をするなど反対勢力の行動も活発化している。

 ジョイセフ シニア・アドボカシー・オフィサーの草野洋美さんはこの現状を「プッシュバック(反対・抵抗)が進行しつつある」と説明する。日本でも、感情的な反応「バックラッシュ(反動・揺り戻し)」だけでなく、巧妙で組織的な「プッシュバック」に対抗する必要があるとして、「私たちも連帯して声を上げていきましょう」と呼びかけた。

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