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「Colabo」が「暇空茜」氏らとの裁判について報告 
追加提訴も予定

小川たまか・ライター|2023年10月30日6:10PM

 10月16日、東京・霞が関の司法記者クラブで一般社団法人Colabo代表の仁藤夢乃氏と弁護団が記者会見。「暇空茜」こと水原清晃氏との裁判の進捗や、新たな訴訟提起に関して発表した。

10月16日、仁藤夢乃氏(中央)とColabo弁護団による記者会見。(撮影/小川たまか)

 同法人や仁藤氏に対するネット上での誹謗中傷は昨年から続いており、昨年11月に同法人は水原氏の「10代の女の子をタコ部屋に住まわせ、生活保護を受給させて」などの主張がデマだとして損害賠償請求訴訟を提起。水原氏側も同法人弁護団の弁護士への損害賠償請求訴訟、東京都への住民訴訟など複数の訴訟を提起している。

 会見で発表されたのは、①水原氏との裁判の進捗、②川崎市議会議員の浅野文直氏との裁判の進捗、③ニュースサイト「エコーニュース」編集長の江藤貴紀氏との裁判の進捗、④X(旧ツイッター)上で「やん」と名乗るユーザーに対する発信者情報開示が認められた件と訴訟提起の報告だ。

 ①については、次回の期日が来年1月23日となったことや、同日に仁藤氏と水原氏双方が出廷しての本人尋問が採用されたことが発表された。水原氏は氏名こそ公表されているが、配信動画などでも顔出ししたことがこれまで一切なく、法廷に本人が現れるかどうかが関係者から注目されていた。

 一方で水原氏は、16日にX上で「本人尋問、僕は出ないことで決まりました」と投稿した。

 水原氏の代理人である渥美陽子弁護士・松永成高弁護士に対し、本誌編集部は渥美弁護士の所属事務所の公式サイトにある問い合わせフォームを通じて本人尋問についての認識を求めた。両弁護士から回答はなかったが、水原氏がX上で前記問い合わせに対し「僕の見解」として「身の危険という正当な理由があるので出頭はしません」などと投稿した(※)。

争点は「真実性」「公益性」

 Colabo弁護団の神原元弁護士は、裁判の大きな争点は「真実性」と「公益性」だとしたうえで「(水原氏の投稿が)公益目的があるか否かは本人に聞かなければわからない」「どういう目的でこういうことをしているのか、思いを法廷で聞いてみたい」と話した。

 ②では選挙中も「Colabo問題」を追及する意思を表明していた浅野氏が同法人に対して「裏帳簿で処理した」といった発信を行なっていたことを虚偽として、330万円の損害賠償を求めている。

 ③では以前から仁藤氏について言及していた江藤氏が同法人に対して「大量脱税の疑い」などと発信したことに対して330万円の損害賠償を求めている。②③に関しては11月中にウェブ会議を行なうという。

 ④では、これも以前から仁藤氏について言及していた「やん」というフォロワー3万人以上のアカウントの「女性を人権を踏み躙って食い物にしてきた」「人権ヤクザ」といった発信をめぐり600万円の損害賠償を求めている。

 会見では、同法人に対する誹謗中傷に対して二十数件の情報開示請求を行ない、すでに16件以上が開示、もしくは開示の心証が示されていることも報告された。開示対象は仁藤氏に対する誹謗中傷のほか、同法人が「公金横領」をしていたなどと投稿したアカウントなどが含まれている。

 神原弁護士は「誹謗中傷が無数にあるため全部はやりきれないが、年明け頃から追加提訴を予定している」と説明。水原氏とともに動画を制作している「なる」というアカウントについても、情報開示請求によって氏名などがわかったことから提訴予定であることを明らかにした。

 会見で仁藤氏は「Colaboに寄付をしていた人が、デマを信じてそれをやめてしまったということもあった。現在では(東京都からの助成を受けず)寄付金のみで活動を続けている。目の前の少女たちを路上に放置するわけにはいかないので活動を続けている」と現状を報告。水原氏が訴訟費用のために1億円以上のカンパを集めたとブログなどに綴っていることについて「攻撃をすることで儲けている。そういうことに対してはNOと言っていく」と話した。

※「暇空茜」こと水原清晃氏による当該投稿は以下。
(本誌への回答)https://twitter.com/himasoraakane/status/1714562672648400990
(「出頭しない」理由)https://twitter.com/himasoraakane/status/1713839099348676989

(『週刊金曜日』2023年10月27日号)

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