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北海道で「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」 
原子力機構に研究終了求める

稲垣美穂子・フリーランスライター|2023年9月5日7:19PM

 7月29日・30日、北海道豊富町で「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」が開催された。

13年目を迎えた「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」で経過報告する東道さん。(撮影/稲垣美穂子)

 同町の隣の幌延町では、原子力発電で使い終わった核燃料を再処理した際に出る高レベル放射性物質廃液とガラスを混ぜて作るガラス固化体の最終処分の幌延深地層研究センターがあり、開設してから22年(放射性廃棄物施設誘致の浮上から約40年)が経つ。

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)は2019年8月、当初「20年程度」としていた研究期間を突如9年延長する「令和2年度以降の計画」を発表。同計画にも記載のない500メートル坑道の掘削が20年度から開始され、今年6月にはメタンガス濃度が上昇し自動で電源が遮断される問題が起きた。さらに昨年度から「幌延国際共同プロジェクト」として、最終処分実施主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)が同施設での研究に参加することになった。

 そのため、交流会実行委員会は原子力機構と同センターに対し、①幌延での共同研究からNUMOを直ちに除外、②研究終了時期の明確化と当該施設の解体・埋め戻しの工程表の早急な提示、③危険な500メートル坑道掘削工事の即刻中止を申し入れた。

 同会の東道さんは「計画を白紙撤回したも同然。その上、最終処分の実施主体であるNUMOを研究施設に呼び込むことはここを最終処分場にしないために結んだ道条例や、同施設を実施主体へ譲渡・貸与しないとした三者協定(道、幌延町、原子力機構)にも反し、信頼関係を自ら壊している」と伝えたが、原子力機構の職員は「我々としては特段問題だと思っていない」と答えた。

 今年2月に閣議決定し、5月に成立したGX脱炭素電源法では、最終処分も、国主導で、自治体首長や経済団体、議会への働きかけを強化するとしている。

(『週刊金曜日』2023年9月1日号)

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