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福島第一原発の処理汚染水海洋放出に市民団体が反対 
「東電の垂れ流しは犯罪行為だ」

佐藤和雄・脱原発をめざす首長会議事務局長|2023年8月1日3:31PM

 岸田文雄政権と東京電力が今夏にも、東京電力福島第一原発の処理汚染水を海洋放出しようとしている中、福島県いわき市の小名浜魚市場近くのアクアマリンパークで7月17日、「海の日アクション2023 汚染水を海に流すな!」と題した集会が開かれた。

汚染水の海洋放出に反対する集会の後、会場周辺をパレードする参加者たち。(撮影/薄井崇友)

 主催したのは、海洋放出に反対する取り組みを粘り強く続けてきている市民団体「これ以上海を汚すな!市民会議」と「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」。処理汚染水が流されようとする海を前にした集まりには、東京、静岡など県外からも参加。さらに目を引いたのは、NHKをはじめとする日本国内の主要メディアが取材しない中、中国と韓国からのテレビクルーが熱心に取材をしていた姿だった。

 集会では、小名浜機船底曳網漁業協同組合の柳内孝之専務理事が「昨年の福島県の沿岸漁業の水揚げ量は、震災前の水揚げ量と比較して2割程度。まだ十分ではありませんが、着実に増加してきています」と復興状況を説明。そのうえで処理汚染水の放出について「(政府と東電は)『関係者の理解なしにはいかなる処分も行なわない』と文書で約束しているのに、破ろうとしていることに不信感を抱いています。漁業者は復興への妨げを止めてほしいと懇願しています」と述べ、見直しを求めた。

 続いてマイクを握った東京大学名誉教授で魚類免疫学などを専門とする鈴木譲氏は「原発事故後、海の生物がどうなっているかは、体系的な研究がなされていません」と指摘。さらにこう述べて、多くの参加者から喝采を受けた。

「生物に悪影響を及ぼす汚染物質を垂れ流す東京電力の行為は、水産資源保護法違反です。犯罪行為です。東電や政府幹部、(海洋)放出の責任者は刑事訴追されるべきです。東電や(政府の)責任者を刑務所にぶち込んでやろうじゃないですか」

(『週刊金曜日』2023年7月28日号)

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