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「隠蔽された朝鮮人虐殺」、関東大震災100年展開催中 絵巻で惨禍の史実に向き合う

平畑玄洋・編集部|2023年7月18日7:00AM

「虐殺否定論」の登場に多くの説明

 パネルは河目の水彩画や当時の写真、虐殺現場を示した地図を含めて21枚が並ぶ。中でも、虐殺の引き金になった「朝鮮人暴動」があったとする流言飛語を「事実として出来得る限り肯定すること」と政府が捜査当局に求めた経緯や、その後の「虐殺否定論」の登場に多くの説明を割いた。歴史教科書から「虐殺」の記述が減ったことや、小池百合子・東京都知事が朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を6年連続で送っていないことにも触れた。

 企画展を担当した理事の戸田光子さんは「今、私たちにできることとして、歴史的事実を継承し、なかったことにしないことが一番大事だと考えた」と話す。そのため、関東1都4県の追悼行事や主催団体を一覧できるパネルも掲示。各地の活動との交流にも期待を込めた。

 企画展に関連し、7月31日の午後6時半からは新宿区立四谷区民ホールで新井さんと、東京経済大学名誉教授の徐京植さんの講演会(当日2500円)がある。

 高麗博物館でも講演会があり、9月16日「軍隊と自警団の朝鮮人虐殺―植民地戦争の経験から―」(法政大学教授の慎蒼宇さん)、11月11日「朝鮮人虐殺を無かったことにしたい人たち」(ノンフィクション作家の加藤直樹さん)、12月9日「関東大震災時の朝鮮人虐殺―証言から見えてくるもの―」(ほうせんか理事の西崎雅夫さん)と続く。

※展示は12月24日まで(月・火除く)。入館料は一般400円(中高生200円)。9月からの講演会は各回(要予約:1000円=オンライン同額)午後2時から。問い合わせは03・5272・3510 FAX03・3207・0533 kh@kouraihakubutsukan.org

(『週刊金曜日』2023年7月14日号)

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