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入管難民法改正案の根拠となる参与員発言の疑わしさ 「虚偽としか言いようがない」

佐藤 和雄・編集部|2023年5月27日7:00AM

 難民を支援する弁護士でつくる「全国難民弁護団連絡会議」(以下、全難連と略)は5月15日、「難民審査参与員の『難民はほとんどいない』発言は本当か」と題した記者会見を開いた。柳瀬氏の案件処理数が「われわれが経験していることとかなり乖離がある」ため、日本弁護士連合会推薦の難民審査参与員に緊急アンケートを実施し、その結果を明らかにしたのだ。

 2019年度から今年4月までの期間が任期に含まれている14人に質問。常時、不服申し立ての審査にあたっている10人の年間担当件数は平均で36・3件。最も多かったのが50件、最少は17件だった。柳瀬氏の1年間1000件とは大きく食い違っている。「17年で2000件」としても年平均117件となり、アンケート結果で示された平均件数の3倍以上の数字となる。

 全難連の渡邉彰悟代表は「年間1000件というのはありえない。それを対面審査でやっているというのであれば、虚偽としか言いようがない」と指摘。そのうえで「一部の(参与員の)発言を入管がとりあげ、資料をつくり、国会で説明しているというのは、自分たちの主張をとおすための一方的なもので、到底、公正で客観的なものとは言えない」と批判した。

 この問題について斎藤健法務大臣は5月12日の記者会見で「特定の難民審査参与員の事件処理件数等については統計をとっていないため、お答えすることは困難」と述べている。

(『週刊金曜日』2023年5月26日号)

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