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G7前にWomen7サミットが政策提言を岸田首相に

斎藤文栄・公益財団法人ジョイセフ グローバル・アドボカシー・ディレクター/W7ジャパン共同代表|2023年5月15日10:35AM

W7サミット現地参加者ら。前列中央は小倉將信男女共同参画担当大臣。(提供/ W7 Japan・Yuichi Mori)

 5月19日から広島で開催されるG7サミット(主要7カ国首脳会議)に先立ち、G7に提言するジェンダー課題を議論するW7(Women7)サミット2023が4月16日、東京都内で開催された(主催:W7ジャパン実行委員会)。

 W7は、G7の公式なエンゲージメントグループの一つだ。エンゲージメントグループとは2016年の伊勢志摩サミット以降にできた枠組みで、さまざまなステークホルダー(利害関係者)が課題をまとめ、G7やG20(金融・世界経済に関する首脳会合)の議論に反映させようとするもの。ジェンダー課題に取り組むW7のほか、経済団体のB7(Business7)、市民社会のC7(Civil7)、労働組合のL7(Labour7)、学界のS7(Science7)、若者のY7(Youth7)など幾つもの「セブン」がある。今年は、LGBTQI+のグループがP7(Pride7)を立ち上げた。

 W7の目標は、G7の指導者たちからジェンダー課題に関する持続的で具体的な政治的・財政的約束を引き出すことにある。

 W7ジャパンでは今年2月から38カ国87人のアドバイザーと議論を重ねつつ、一般市民や若者とも対話を行なってきた。意思決定への女性参加、経済的正義、身体の自己決定権、フェミニスト外交政策、説明責任の五つのテーマとともに、経済格差や障害、性的指向等の課題とジェンダーの交差性(インターセクショナリティ。性、人種・民族、国籍、性的指向、障害の有無などが相互に作用する抑圧・差別構造を指す)についても討論。「フェミニストは求めます、平等、公正、平和な未来の構築を」と題し、五つのテーマに関するG7の実効性あるコミットメント(公約)を求める政策提言書「W7コミュニケ」を作り上げた。W7サミットではそれを正式に発表し、さらに議論を深めた。

 対面・オンライン合わせて約400人が参加したサミットで目立ったのは若者の参加だ。小倉將信男女共同参画・女性活躍担当大臣との対話セッションも若者が担当。「包括的性教育をどのように進めていくべきか」という質問には小倉大臣が「(性教育に対する)誤解や偏見に基づく批判に一つひとつ反論をし、理解を深めていくことが重要だ。難しい闘いかもしれないが確実に社会は動き続けている。ぜひ力を貸してほしい」と応じた。

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