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大阪カジノ整備計画を国が認定 「なお疑惑未解明」と市民ら抗議

平野次郎・フリーライター|2023年5月15日10:23AM

「結論ありきの認定だ」

 政府が夢洲カジノ計画を認定した14日、カジノに反対する市民団体は大阪府庁前などに集まって抗議集会や街頭宣伝を行なった。

 府庁前集会では「大阪の未来は府民が決める 夢洲カジノを止める会」が抗議文を読み上げた。昨年9月の同会と観光庁との意見交換では、夢洲の地盤対策費を大阪市が負担する「事業者優遇」によって財政破綻しないかの収支見通しや、立地の観点から南海トラフ地震への対応も審査対象になるとの回答を得ていたとして、地盤・立地の将来的リスクをどう評価したのか公表するよう求めている。

「カジノに反対する大阪連絡会」は18日に国交省などと面談し、住民合意のないカジノ計画を認定した国の責任は重大だとする抗議文を手渡した。面談では、カジノ用地の賃料の不動産鑑定評価で4社のうち3社の価格が同一だった問題(本誌3月3日号参照)を指摘したのに対し、国交省の担当者は「3社が一致することはありうる」と返答。同会が「不動産鑑定士業界に激震が走るような発言だ」としてその根拠を質したところ、担当者は動揺を隠せずに「大阪港湾局から提供された鑑定評価書による」と答えたという。

『カジノ・万博で大阪が壊れる―維新による経済・生活大破壊』の共著者である桜田照雄・阪南大学教授は、政府のカジノ認定には矛盾があるとしてこう批判する。

「コンセプトに魅力がなくて国際競争力は評価できないとしておきながら、施設や初期投資の規模が大きいことだけで高い評価をしている。競争力がなければ、来訪者は推計の約2000万人を大幅に下回るだろうし、規模が大きいとして評価された経済効果も絵に描いた餅に終わる。先に結論ありきの誤った認定だ」

(『週刊金曜日』2023年5月12日号)

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