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特報!
電源開発、大間原発の地震動計算で断層の深さを誤入力
原子力規制庁「極めて重大な事案」

伊田 浩之・編集部|2023年4月5日1:23PM

建設中の大間原発。(2011年11月10日)

キロメートルとメートルを間違えて入力しました──。子どもの話ではない。原発を建設・運転しようとする企業が、重要な安全対策にかかわるところでやってしまったというのだ。その企業とは電源開発(Jパワー)である。原子力規制庁は2月24日、新規制基準適合性の審査会合で「極めて重大な事案」と厳しく指摘した。

 大間原発は改良型沸騰水型軽水炉で、出力は約138万キロワット。濃縮ウランだけでなく、MOX(混合酸化物)燃料の使用も予定している。土木工事は65%まで終えたが、建屋の建設や主要機器の設置・配管は4割弱にとどまっている。

 一方、原発そのものの建設・運転が初めてとなる電源開発(本社東京、渡部肇史社長)は2014年12月、運転に必要な「原子炉設置変更許可申請書」などを提出。原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査が進められている。

 その審査で開かれた2月24日の会議(第1117回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合)では、原子力規制庁側から厳しい指摘が相次いだ。

リモートで開かれた審査会合。電源開発側(画面)の説明に原子力規制庁から厳しい指摘が相次いだ。(2月24日)

「今回発覚した地震動評価結果の誤りは、単なる解析データの入力ミスではなく、基準地震動の策定に直結する可能性がある、極めて重大な事案が発生したと認識している」「正しいデータに基づいて審査を進める観点からも大きな支障を生じている」(佐藤秀幸・主任安全審査官)

 電源開発の杉山弘泰副社長は「規制庁さんや社外に誤ったデータを提供したことを深く反省しなければならない」と陳謝した。

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