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ついに石垣島の陸自駐屯地開設、ミサイル搬入も強行
住民ら集会、デモで抗議

西村仁美・ルポライター|2023年4月4日7:00AM

自衛隊員に詰め寄り抗議する住民。3月5日、石垣市内にて。(撮影/西村仁美)

 沖縄県の石垣島で建設が進められている陸上自衛隊の石垣駐屯地(3月3日号で既報)が3月16日に開設。隊員約570人、車両約200台が配備され、18日にはミサイルなどの弾薬も搬入された。島内では、これに反対する住民らが同月初めより集会やデモなどのさまざまな運動を展開した。

 4日には「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」主催の現地案内が行なわれた。同連絡会には基地周辺4集落(開南、川原、嵩田、於茂登)に暮らす住民らが参加。夕刻からは於茂登集落内にある公民館で交流集会も開かれ、同じ基地問題に揺れる宮古島や与那国島、沖縄本島など南西諸島、さらには東京や京都からも計約60人が駆けつけた。

「明治政府による併合(琉球処分)、戦後の(米軍施政下への組み込みによる)沖縄の切り捨て、そして今回の軍事化。これらは石垣島を含む沖縄を再び捨て石とする国策であり、三度目の琉球処分かなという印象があります」

 於茂登集落で農業を営み、市民連絡会の共同代表を務める嶺井善さん(57歳)は冒頭のあいさつでそう怒りをにじませた。続いて、基地の建設工事現場や港湾関係についての監視活動を続ける「基地いらないチーム石垣」の上原正光さん(70歳)が自ら撮影した映像や写真も使い状況を説明。駐屯地周辺では工事による振動で体調を崩す人の訴えが昨年には出ているなどの具体的な事例を紹介した。

 沖縄本島で辺野古新基地建設の杜撰さを土木技術者の立場から追及する奥間政則さん(57歳)は上原さんの求めに応じ、今後予想される工事の注目点を補足説明。2019年3月に陸自の駐屯地が開設された宮古島から参加の清水早子さん(74歳)は同島の街中を迷彩服姿で基地に通勤する自衛官を見るたび「迷彩服で外を歩くな」と言うそうだ。かつて航空自衛隊自衛官だったという男性も「戦闘服は官品。退職後に返さなければならない。それを日常生活で着ていいわけがない」と話した。

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