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コロナ感染した重度障害者の入院を都立病院が拒否

岩本太郎・編集部|2023年3月28日7:00AM

都は病院へ周知徹底を通知

 筆者はこの2回目の話し合いを冒頭から取材したが、結果的に約4時間に及んだ協議はほぼ平行線をたどった。というのも、都側が前回の約束のもと団体側へ事前にメールで送ってきた文書が「事務連絡」と題した内部文書ばかりで、都側による説明も含めてその内容が部外者には即座にわかりにくいものだったからだ。

「これを病院に持って行って医師や看護師に示せばすぐ入院可能になる書面を作ってほしいです」

 団体側より参加した重度障害者から何度もそんな声が上がった。土日や深夜に「担当者が不在」等の理由で入院を拒まれ、そこから生命にかかわる事態になっては、との思いがあったからだ。しかし都側はそれらに対し「調整します」「持ち帰って検討します」と再三繰り返すのみ。そこからさらに、

「周知がされているならなぜすぐここで約束できないんですか!」

「今この間にも入院拒否され命を落とす人が出ているかもしれないって考えたことがありますか!?」などの悲痛な声に、東條課長らが絶句する場面が何度も見られた。

 当事者団体と都側は同日以降も協議を継続。その結果、2月20日に地域生活支援課が地方独立行政法人東京都立病院機構と、各都立病院の計画課長にあてて発出した文書で14の都立病院名を列記し、重訪の利用者などの日中・夜間の入院時に「支援者の付添いを理由に入院の受入れを断ることのないよう、周知徹底願います」と明記。団体側もこれを確認し、当面状況を見守る構えだという。

(『週刊金曜日』2023年3月24日号)

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