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「日本を滅びに導く政策だ!」 国会前で市民が大集会

岩本太郎・編集部|2022年12月25日7:00AM

閣議決定前日、衆議院第二議員会館前で開かれた反対集会。(撮影/金浦蜜鷹)

 本誌前号の特集でも詳報した、いわゆる安全保障3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)が12月16日の夕刻に閣議決定された。防衛費の増額のほか敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を盛り込むなど、憲法に基づく専守防衛に徹してきた戦後日本の安全保障政策における歴史的な転換点ともいうべき政策決定を、国会閉会中に立法府での議論もないまま政府の独断で行なうという岸田文雄内閣の姿勢に、野党はもとより世論からも批判が続出。東京・永田町の国会や首相官邸周辺では、折しも12月8日(対米英戦開始の日)あたりから「来週末には閣議決定される」との観測が強まり、市民による街頭での抗議が活発化した。

 閣議決定前日の15日には「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」「9条改憲NO!全国市民アクション」主催の抗議行動が、夕刻から衆議院第二議員会館前の路上で行なわれ、約800人(主催者発表)が参加した。

 冒頭、あいさつにたった実行委員会の菱山南帆子さんは「国会素通りで、話し合いもほとんど非公開で説明も尽くされていないにもかかわらず、国の形が大きく変わることを勝手に決めるなんてどうかしている」と批判。物価上昇や、来春には大量の雇い止めが起きるのではとも言われる世情に「私たちの税金を軍事費に使うなんて許してはならない」と訴えた。

 立憲民主党の大河原雅子衆議院議員は「岸田政権の姿勢は、まさに安倍政治の負の遺産を継承するもの。立憲民主党も市民のみなさまから厳しい声をいただいているが、こんなまやかしによるマインドコントロールから、立憲民主党も与党も覚醒させたい」と表明。

 参議院会派「沖縄の風」の伊波洋一議員は「安保3文書は米国言いなりの内容だが、米国は日本を守らない。これは日本を滅びに向かわせるものだ。戦争をせず、平和を守る外交努力、憲法9条を守る姿勢こそが必要だ」と力説した。

 社会民主党党首の福島瑞穂参議院議員は1972年10月31日の田中角栄首相(当時)による「専守防衛の日本は敵を攻めない。これは未来永劫変わらない基本政策」との国会発言を引用しつつ「攻撃をすることで日本全土が反撃されて戦禍にまみれるような道へ進むのを阻止していこう」と呼びかけた。

 日本共産党書記局長の小池晃参議院議員は「わが党の山添拓参議院議員が『トマホークは攻撃用兵器か?』と何度質問しても政府は答えなかった。専守防衛の範囲で敵基地攻撃するなどというのは『平和的な戦争』『民主的な独裁』とか言っているようなものだ」と皮肉った。

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