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「青森を放射性廃棄物最終処分地にするな」 
条例制定求め請願署名実施

稲垣美穂子|2022年8月12日5:16PM

 青森県六ヶ所村の日本原燃の再処理工場(原子燃料サイクル施設)には2970トン(2018年9月現在)の使用済み燃料が貯蔵されている。これに関して「青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地としない条例」の制定を県議会と知事に求める請願署名を有志の「県民の会」が現在集めている。

5月28日に開かれた「青森県を核のゴミの最終処分地としない」県民集会。(撮影/稲垣美穂子)

 同県と六ヶ所村・日本原燃の三者は1994年12月26日に「六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター周辺地域の安全確保及び環境保全に関する協定書」を締結。ガラス固化体の一時貯蔵管理期間を同センターでの受け入れから30?50年、期間終了時点で電力会社に搬出させると定めた。最初のガラス固化体は95年4月26日搬入。つまり遅くとも2045年までに県外へ搬出されなければならないが、一方で最終処分地の調査には約20年、その操業までには30年以上を要するとされ、工場内には現在も1830本のガラス固化体が保管されたまま、いまだ搬出の見通しが立っていない。そのため地元では「このまま青森県が最終処分地にされるのではないか」との不安が高まっている。

 前記「県民の会」共同代表の浅石紘爾弁護士は「三村申吾青森県知事は『国との固い約束だから』の一辺倒」と批判。そのうえで、「しかし、その約束を強制的に履行させる方法はないため、法的な拘束力のある条例をきちんと作っておく必要がある。条例制定は、高レベル放射性廃棄物の発生源である再処理工場の廃止と核燃政策の中止につながることから、日本の原子力政策そのものを転換へと導く意義がある」と語る。

 署名提出は同県議会9月定例会を予定。オンライン署名も受け付けている(https://ssl.form-mailer.jp/fms/ad5b6e88679317)。問い合わせは「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」の事務局(0178・47・2321)まで。

(稲垣美穂子・フリーランスライター、2022年6月24日号)

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