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福島県議会が原発避難者の住宅立ち退き議案可決 
被害者団体が抗議

鈴木博喜|2022年7月22日8:49PM

「正確な事実関係の説明もせず議案採決を急いだ県当局、丁寧な審議もしないままこれを許容した県議会に対し、私たちは怒りを込めて厳重に抗議します」

5月24日、福島県庁での会見で語る村田弘さん(右端)や「ひだんれん」ほかのメンバー。(撮影/鈴木博喜)

 原発事故に伴う区域外避難者の住宅問題に取り組んでいる「原発事故被害者団体連絡会」(ひだんれん)、「『避難の権利』を求める全国避難者の会」、「避難の協同センター」が7月11日、連名で前記のような抗議声明を発表した。福島県の内堀雅雄知事が、国家公務員宿舎から退去できずにいる区域外避難者10世帯に対し立ち退きと「2倍家賃」の支払いを求めて裁判所に提訴する議案を提出し、同県議会が7月6日にこれを可決したからだ。

 内堀知事による“追い出し訴訟”はこれが初めてではない。2020年3月には今回とは別の4世帯に対する訴訟を福島地裁に起こしている(うち1世帯は退去後、長期分割支払いで県との和解が成立。3世帯は現在も係争中)。

 原発事故の被災県が、県外避難した県民を裁判で住居から追い出す事態が今回の議決でさらに進んだが、県議会での議論は極めて低調だ。ある与党系県議は「県もかなり努力されている。契約もあるので(追い出し訴訟も)やむを得ない」。立憲民主党系会派「県民連合」を含めた全会派は議論なく議案に賛成している。反対を表明するのは共産党だけだ。

「ひだんれん」幹事の村田弘さんは、「県知事も酷いが、県議会も役割を果たしていない」と憤る。区域外避難者に対する“制裁金”的な「2倍家賃」の請求や、あたかもサラ金業者の取り立てのような避難者親族宅訪問を行なう県当局と、その県当局による「(避難者とは)話し合いにならず埒が明かない」という説明を鵜呑みにして検証も吟味も行なわないまま監視機能を放棄した県議会。これが原発事故の発生から11年余の被災県の実態だ。

(鈴木博喜・「民の声新聞」発行人、2022年7月22日号)

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