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参院選 ジェンダー視点の争点は?

宮本有紀|2022年7月8日8:30AM

参院選前に、ジェンダーの視点から争点をチェックするイベントが6月26日、パリテ・キャンペーン実行委員会とウィメンズアクションネットワークの主催で行なわれ、ジェンダー課題にとりくむ各団体ら約180人が参加した。

さまざまな分野の市民運動から有志が集まって始めた「みんなの未来を選ぶためのチェックリスト」は20項目43問の質問を政党(自由民主党、公明党、立憲民主党、日本共産党、社会民主党、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組)に送り、その回答をサイトで公開している。発起人の一人、町田彩夏さんがジェンダー課題に関する質問に対する回答を披露し、「○×以上に、補足説明に各政党の価値観や思想が非常によく出ている」と解説した。

包括的性教育を推進する?  女性候補者比率の数値目標は?

たとえば性教育。「性交や妊娠経過について教えないなどといった『はどめ規定』(略)を撤廃し、人権尊重と科学的根拠に基づく包括的性教育を推進しますか」という質問に対し、自民が×、国民・公明は無回答。立憲・共産・社民・維新・れいわは○だ。自民の補足説明は「性教育は児童生徒の発達段階を考慮しながら、学校全体の共通理解を図り、保護者や地域の理解を得ることが必要です。不適切な性教育やジェンダーフリー教育などは行わせません」という「非常に強い意思のある文章」(町田)となっている。

また、今回の参院選では全体で女性候補が3割を超えたものの、候補者男女均等法で目標とする5割には遠い(下表参照)。当然、政党単位での数値目標が求められるが、「今後、各政党の立候補者に占める女性割合の数値目標の公表を義務化しますか」という質問に対し、自民は無回答で維新が×だった。自民は「『男性か女性かが、他の全ての資質に優先する』という考え方は採っておりません」「性別で枠を設定するという人選の仕方は適当ではないと考えます」などと補足説明している。

町田さんは「自分たちが作った候補者男女均等法と回答が食い違っているのではないか」と批判。維新の「女性が立候補しやすい環境を作ることが必要であるとの認識に立ち、子育て世帯への支援策としてベビーシッター補助を行うこととした」という記述も「女性だけが子育てをするわけでもないし、子育て中の女性だけが立候補するわけでもない。補助で大幅に候補者が増えるという話ではない」と指摘した。

選択的夫婦別姓制度を導入する?-維新の回答は要注意

さらに「カップルの双方が戸籍上の姓を維持したまま、婚姻関係を結ぶことができる、選択的夫婦別姓制度を導入しますか」の質問について、自民の無回答以外は全党が〇だが、維新の説明には「戸籍制度及び同一戸籍・同一氏の原則を維持しながら、旧姓使用にも一般的な法的効力を与える制度の創設など、結婚後も旧姓を用いて社会経済活動が行える仕組みの構築を目指す」とある。町田さんは「双方が戸籍上の姓を維持したまま、と聞いているのに『旧姓を用いて』では維持されていない。〇となっているが、説明と一致していない」と注意を喚起した。

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