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震災翌月開局のラジオ番組「おながわ☆なう」が終了 
地元に寄り添い11年

大嶋智博|2022年4月28日9:36PM

 東日本大震災の発生翌月以来約11年間、被災地の宮城県女川町を舞台に制作されてきたラジオ番組「おながわ☆なう」が3月27日に放送を終了した。女川は人口約6000人の小さな町だが、番組は終了時点で県域局のTBCラジオ(東北放送)やコミュニティFMなど全国33局で放送されていた。

2011年開局当初の「おながわ☆なう」。地元の若者たちがスタッフとして活躍した。(提供/オナガワエフエム)

 制作主体のオナガワエフエムは地元住民と東京のメディア関係者による一般社団法人だ。もともとは震災発生後に東北沿岸の各地で地元自治体が免許を受け、住民に情報を届けていた臨時災害放送局の一つだった。ただ、自治体にはそもそもラジオ運営のノウハウがないため、それらの局では外部のボランティアや地元の青年団などに運営を任せたところもあった。

 東京在住の放送作家である私もそうしたボランティアの一人だ。私自身は放送の仕事はできても町のことには素人であり、放送でのしゃべり手は避難所で声をかけて集めた地元の若者たちにお願いした。震災前の町の姿や、被災時の状況、避難所の現状を若者たちに聞いたり、一緒に取材で回った。そうした過程を通じ、町内のさまざまな人々に毎日出演してもらうスタイルが、この局の定番となっていったと思う。

 やがて番組はインターネット配信も始まり、町民だけでなく、町の復興を応援する人々にも聴かれるようになった。臨時災害放送局の運営は2016年に終えたが、以後も前記各局で番組が続いた。その間に予算不足などによる存続の危機を何度も迎えたが、そのたびに多くの応援の声も寄せられた。だが人手不足もあり、ここで一度終止符を打つことを、局と町との話し合いの末に決めた。

 終了に際しては「おつかれさまでした」との声を多数いただいた。だが「復興は終わったとか、役割を終えたというのは誰にとって?どこを見て?」というメールも、また胸に突き刺さった。

(大嶋智博・放送作家、2022年4月15日号)

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