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東電株主訴訟が結審
7月13日に判決

2022年2月9日5:44PM

 2012年3月5日、東電株主総会で脱原発提案等を行なうなどの活動を長年してきた「脱原発・東電株主運動」の有志を中心に、42人の個人株主が東電役員らに5兆5045円を請求した株主代表訴訟が2021年11月30日に結審した。(現在原告49人、被告5人、請求額22兆円)。判決は今年7月13日に言い渡される。

2021年11月18日、進行協議後の記者会見。

 原発事故による損害を事業者の役員に請求する株主代表訴訟によって、他の電力会社の取締役らも、原発が過酷事故を起こせば、個人の財産が失われるとなれば、安易な原発推進、再稼働を阻止できるのではと考え、沖縄電力を除く全電力会社にその旨の警告を送った。

 本件訴訟では、東電が事故直後のテレビ会議記録を消去するおそれがあるとして2012年6月に至急証拠保全申立てを行ない、貴重な記録を保全することができたし、その後、不十分ながらも報道機関への公開につながった。

 また、同年福島県をはじめ全国から1万4716人による告訴告発の後、検察審査会によって起訴相当とされ、17年から始まった東電刑事裁判(本件被告でもある勝俣氏、武藤氏、武黒氏の業務上過失致死傷事件)での証拠約180点を本件訴訟に送り、証拠調べを行なった。また、それらが全国での損害賠償請求訴訟で証拠提出され、東電の津波対策の不作為についての過失が認定されている。

 2021年2月から始まった証人尋問では、専門家証人によって、09年7月に、福島県浜通りで貞観津波堆積物調査をするという東電に対して、今から調査するのは無駄であり、対策をすべきと述べていたにもかかわらず、これを無視した事実も明らかになった。また、津波対策としての水密化などが容易であることも証言された。そして、10月29日には、3・11後、初めて裁判所が福島第一原発の敷地内を視察した。

長年、福島第一原発事故についてさまざまな報告書、東電の提供する写真をみてきた甫守一樹弁護士も、「限られた場所と時間であったが初めて実物をこの目で見られることには感動した。散々写真で見てきたが、このスケール感だったんだ」と百聞は一見に如かずであることを改めて述べた(視察報告はYouTubeで視聴可能)。

 11月18日の進行協議期日で、甲第1019号証として提出された現地視察報告書は、東電がその内容を確認することになり、実質的に検証調書と同じ意義をもつことになった。

 11月30日には原告本人3人の意見陳述、原告・被告らが最終準備書面をプレゼンし、審理が終結。原告側最終準備書面は東電株主代表訴訟のウェブサイトで読むことができる。

(脱原発弁護団全国連絡会、2021年11月26日号)

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